トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建設経済新聞社
2017/03/10

【京都】京都市の北消防署移転計画 大宮交通公園北東部に配置 公園のリニューアルも検討

 京都市は9日、北区大宮の大宮交通公園内に移転を計画する北消防署について、公園北東部に配置する方針を明らかにした。
 市は、28年2月市会で大宮交通公園の一部を有力な移転候補地として検討していることを表明。28年2月・5月・6月に大宮学区関係者、6月に隣接学区関係者等に移転候補地として検討していることを説明し理解が得られたことから、移転する方針を固め、移転に向け関係局と協議を進めていた。
 その後、大宮交通公園のあり方について、29年1月25日に京都市都市緑化審議会に諮問し、都市緑化審に大宮交通公園のあり方検討部会を設置した。3月9日開催のあり方検討部会の初会合で北消防署を公園北東部に配置する方針を明らかにした。
 あり方検討部会での市の説明によると、北消防署の公園内の設置箇所について「公園形状は凹凸が少なく、一団のまとまった形状が望ましいことから、公園端部の利用が適切」「南側部分には豊臣秀吉が築造した歴史的な資産である御土居があり、御土居近くには祠もあり、設置不可」「大型の緊急車両の出入りを考慮すると、2車線道路の船岡東通沿いの利用が適切」とし、公園北東部を移転先に選定した。
 現在、公園北東部には時間貸しの有料駐車場(普通車15台収容可能)と防災トイレ(下水道に直結した災害用マンホールトイレ5基)等があり、その南側に管理棟がある。
 大宮交通公園(北区大宮西脇台町17/敷地面積2万1338・93u)は北消防署から直線距離で約700mに位置する。
 現在の北消防署(北区紫竹下緑町87)はRC造2階建、延1136u(延852uで昭和33年に完成。昭和55年に284uを増築)。8年に耐震改修を実施したが、主体構造の建設から58年が経過し、老朽化が著しく長寿命化を図ることが困難な状況。敷地は第1種低層住居専用地域の規制を受けるため、現地建替えは難しい状況。
 移転効果として、宅地化が進んだ北区北部地域の消防力向上を挙げた。また移転で公園面積は減少(公園面積の約1/7以内(3000u程度以下))するが、災害時に広域避難場所である公園への避難者に対し、早期の応急救護や最新の災害情報の提供が可能となるなど、北消防署との一体化で防災機能の強化も期待できるとした。
 大宮交通公園は都市公園のため、北消防署が移転するにあたり都市計画変更の手続きが必要になる。今後の予定スケジュールによると、29〜30年度に都市計画審議会、基本設計、環境影響評価(アセスメント)、実施設計を進める。その後、31〜32年度に整備工事を行い、33年4月の完成を目指す。
 消防局は、29年度当初予算案に北消防署移転整備として5500万円を計上。環境アセスに係る報告書をまとめるとともに、地質調査と基本設計及び実施設計に着手する考え。
      ◇
 大宮交通公園は、施設の老朽化と交通学習施設(ゴーカートや交通教室等)の利用数の低下の2つの課題を抱えていることから、市は北消防署の移転にあわせ、公園敷地をリニューアルする方針で、あり方検討部会で検討する。
 消防車両や訓練状況の見学スペース、消防施設の緑化など北消防署と一体となって、相乗効果により機能的で魅力的な施設となるよう検討する考え。
 あり方検討部会で委員からは「遊具などの老朽化が進んでいる。再配置を含めた検討が必要」「自転車の役割が高まっており、自転車のルールを学ぶ場にしては。ゴーカートをエコな車にし環境教育の場にしてはどうか」「利用ターゲットを絞るべき」「管理棟が壁になり、外から公園の中が見えにくい」などの意見が出た。