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建通新聞社(中部)
2017/03/10

【岐阜】小坂喬峰市長が描く恵那市の未来

 岐阜県南東部に位置し、豊かな自然に恵まれた恵那市。小坂喬峰・恵那市長昨年11月に就任した小坂喬峰市長は総合計画に掲げる「誇り・愛着を持ち住み続けるまち」を実現するため、建設分野では新こども園建設や恵那峡などの観光地再整備、2027年のリニア中央新幹線開業に向けたアクセス道路整備などを進めていく考えでいる。この他、企業誘致に関してはトップセールスで取り組むとしている。17年度の主要事業や市長が描く恵那市の未来を聞いた。(聞き手は岐阜支局=武藤省吾)
 
 ――まちづくりの課題、解決策は。
 「27年のリニア開業に向けて、経済効果を市に呼び込むためには、基盤整備と働く場所の確保が課題になる」
 「生まれ育った恵那に働く場所が無く戻れないという声も聞くため、企業誘致はトップセールスで行う。本社機能や研究施設を恵那に移転してもらうための促進条例も制定済みだ。製造業だけでなく、IT企業の誘致も視野に入れたサテライトオフィス整備や設置の補助金事業を当初予算に盛り込んだ。UターンやIターンで戻ってきた若い世代だけでなく、だれもが生き生きと働ける環境を作りたい」
 
 ――17年度当初予算ついて。
 「16年度からスタートした第2次総合計画が2年目を迎えた。17年度は継続事業を着実に進められる予算を確保した。特に、『はたらく』『たべる』、『くらす』を予算編成の新たな視点とし、雇用拡大や地域産業振興、働きながら安心して子育てができる取り組みを重点的かつ積極的に盛り込んだ」
 「一般会計は、市立恵那病院再整備事業の本体工事が完了したことで前年度と比べて18億7000万円、6・7%減少の261億8000万円となったが、学校施設の改修や新こども園建設を進めるため普通建設事業費は伸びている」
 
 ――17年度の主要事業は。
 「まちの魅力を高めるために、住環境づくりと観光資源を磨いて地域の活性化を図ることが大切だ。快適に暮らせる住環境づくりとして12・8fを開発する正家第二土地区画整理事業では、都市計画道路の赤田中曽根線と寺平的ケ屋敷線を築造する他、公園の詳細設計を行う」
 「観光資源の整備では、くしはら温泉のリニューアルや恵那峡再整備を進める。くしはら温泉ささゆりの湯は見晴らしの素晴らしさを生かした露天風呂の増築や老朽化した設備の更新でさらなる観光客の誘致が見込めるだろう。恵那峡再整備では、藤棚イベント広場の整備を行う他に、カヌーやボート体験などのアクティビティを取り入れる計画だ」恵那市新こども園 イメージ図
 「働きながら子育てができる環境づくりとして旧市立恵那病院の建物を活用した病児保育所の新設や小学校内への放課後児童クラブを整備する。3歳未満児保育の受け入れを拡大し、老朽化している長島こども園と手狭な二葉こども園を閉園して、長島地区内に新こども園を建設する」
 「各事業を進めるに当たっては、地域住民に丁寧な説明を行うことで不安を解消し、整備による効果を最大限に生かせるように取り組む」
 
 ――リニア開通に向けたインフラ整備については。
 「リニア開業まであと10年になり、インフラ整備を積極的に進める段階になった。市では物流・観光面でのメリットを拡大するため3路線の整備促進を関係機関に働きかけていく。3路線は、瑞浪市、中津川市など東濃地域を一体とした観光ネットワークを築くための『濃飛横断自動車道と瑞浪恵那道路』、飯地町から杉原千畝記念館がある八百津町を通り可茂地域を結ぶ『付け替え国道418号』、岩村町の城跡、明智町の大正村や三河地域へのアクセス向上のための『三河東美濃連絡道路』となっている」
 「市内からリニア岐阜県駅と中部車両基地へのアクセスとしては、都市間連絡道路を整備し沿線の生活環境の改善に取り組むとともに、沿線地域の道路整備を検討する」
 
 ――地元建設業へのメッセージを。
 「気候や風土に合った基盤整備で地域を支える建設業は恵那市にとって大事な産業の一つだ。これからも恵那市の大切な産業として伸びてほしい。災害発生時の復旧だけでなく、降雪時の通勤、通学路の確保などでも地域の安全・安心を守っていただいている。これは地域を熟知した建設業だからできることだと感じている」
 「地域にとって道路や橋梁などのインフラ整備、維持管理は重要な分野だけに地元建設業にはできる限りの支援を行う考えでいる。魅力あるまちづくりのために今後とも力を貸してほしい」

提供:建通新聞社(2017/03/10)