熊本地震からの復旧復興に向けた県と市町村の意見交換会が2月28日にテルサであった。不調不落への対応で蒲島郁夫知事は、建設業者が受注しやすい環境づくりとして▽優先順位を付けた発注▽工事の平準化▽発注上の工夫▽適切な予定価格算定・設計変更―を求めた。
意見交換会は10月14日以来2回目。45市町村の首長らと県から蒲島知事、田嶋徹副知事、手島健司土木部長ら幹部14人が出席した。会議は非公開。
円滑な施工体制の確保について県は、入札契約制度の運用改善や復興係数、復興歩掛など県の15施策の内容を説明。建設業者が受注しやすい環境づくりとして4項目を挙げ、少しでも不調不落をなくし早期の復旧・復興が実現できるよう要望した。
2月13日の熊本地震等復旧・復興工事情報連絡会議で示された資料によると、各種制度を適用・実施している市町村は、「復興係数」「復興歩掛」がともに55%、「遠隔地からの資材調達に係る設計変更」「地域外からの労働者確保に関する間接費の設計変更」がともに25%、「余裕期間を見込んだ早期契約制度」33%、「複数工事の合冊入札」53%となっている。
要望事項は次のとおり
【優先順位を付けた発注】 受注者の施工能力を考慮し、重要度の高い個所から優先順位をつけた発注
【工事の平準化】
▽繰越制度の活用=繰越制度(翌債)を活用し、計画的な発注(発注時期の調整)、適正な工期設定
▽余裕期間を見込んだ早期契約制の活用=建設資材、労働力確保等を事前に計画的に準備するための余裕期間を見込んだ早期契約制の活用
【発注上の工夫(合冊等の活用)】
近接や同一路線の複数の工事を一つの入札で調達する合冊入札の活用(県の取り扱いは、合冊入札工事では現場代理人の兼任が可能)
【工事の適切な予定価格の算定・設計変更】
建設資機材や建設労働者不足、単価が上昇した場合の適切な予定価格算定・設計変更ガイドラインに基づく設計変更の実施。
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