建通新聞社(神奈川)
2017/03/03
【神奈川】1億円余で調査継続、構造形式固め 相鉄・鶴ケ峰駅付近の連続立体交差 横浜市道路局
横浜市道路局は相模鉄道本線・鶴ケ峰駅付近の連続立体交差事業の事業化に向けた検討を深度化する。2017年度当初予算で事業調査(測量、地質調査、設計など)の継続に要する1億0680万円の経費を確保し、作業を通じてコストや整備効果の面から構造形式を固め、18年度以降の都市計画・環境影響評価手続きにつなげる構え。復建エンジニヤリング(横浜事務所、横浜市磯子区)がコンサルタント業務を手掛けている。
鶴ケ峰駅付近の連立事業は旭区西川島町〜本村町地内の延長約2・7`で計画。西谷駅の西側に位置する都市計画道路・鴨居上飯田線(20年度ごろまでに事業着手)との交差部付近から、鶴ケ峰駅(相対式ホーム2面2線・橋上駅舎)を経て二俣川駅の東側に至る区間だ。
区間内に10カ所ある踏切のうち5カ所が開かずの踏切のため、踏切安全対策実施計画(16年3月)で鶴ケ峰駅付近を「最も優先的に連続立体交差の事業化を検討」する区間に選定。16年度に6600万円の事業調査経費を予算化し、相鉄と調査設計協定を結んだ上で、相鉄が復建エンジニアリングにコンサルタント業務を委託した。17年度までの2カ年で事業調査を進める。
16年度は鉄道敷内の測量や鉄道敷内と沿線敷地とで計4カ所の地質調査を実施。構造形式を「高架」にするか「地下」にするかのシミュレーションも始めたという。
高架の場合、ネックとなるのは二俣川駅側の線路上に架かる国道16号・保土ケ谷バイパスの跨線部。仮に跨線部の上を通すなら高架の高さが増すため、計画区間外である二俣川駅側の既存線への取り付けが難しそうで、日影などの影響範囲も広がる可能性がある。一方、地下は一般的に高架よりもコストが割高になるといわれている。
踏切の除去による道路交通の円滑化にとどまらず、周辺道路のネットワークを充実させる視点や、再開発が検討されている鶴ケ峰駅北口など沿線まちづくりとの連携も必要だ。
17年度はこれらを踏まえつつ、新たに14カ所の地質調査も行うなどして検討を深度化し、構造形式を固めていく。
提供:建通新聞社