日本工業経済新聞社(埼玉)
2017/02/28
【埼玉】新5か年計画修正案で田村{実、木下高志議員に聞く
県政運営の根幹となる新たな5か年計画の修正案を自民党県議団が24日に県議会の5か年計画特別委員会に提出した。修正案とりまとめの中心的な役割を果たした田村{実議員と木下高志議員は27日に埼玉建設新聞の取材に応じ、ポイントとして「埼玉の成長を支える投資」を明記した点を挙げた。修正案では「ストック効果の高い社会資本整備を中心とした将来の活力につながる投資を重点的に実施」することを盛り込んでいる。重点投資分野として耐震化や治水・治山対策、ホームドアの整備、交通安全施設の整備、電線類の地中化などを明示、建設業界にとって追い風となる。
新たな5か年計画は、県が作成するあらゆる計画の最上位に位置し、いわば「憲法のようなもの」(木下議員)という位置付け。予算も計画に基づき付けられる。計画期間は2017〜21年度。
県は昨年9月の定例会に原案を提出しており、現在も継続審議の状態となっている。
田村議員と木下議員は修正案について「ポイントは投資」と強調。「ストック効果があるものに関しては投資をする」ことを明確に打ち出す。木下議員は「これまでの予算はマイナス10%シーリングで、建設業も疲弊しています。今回、投資しなさいと変えたことになる」と、原則的な考え方を転換した意義を強調した。
木下議員は新たな5か年計画を契機に「建設業界もストック効果について提案すれば良いのではないでしょうか。例えばこの道路を整備することで、地域がこう活性化して良くなるということについて、地元の建設業がどんどん発信すれば良いのではないでしょうか」と提言した。
修正案では数値目標となる独自指標として、県管理道路の整備延長は15年度末の1642・1qから、21年度末の目標値として1702・1q以上と掲げた。電線類の地中化の整備延長も15年度末の51・4qから、21年度末は56・8q以上とする。
同様に駅ホームのホームドア設置駅数は15年度末の10駅から、21年度末は33駅とする目標値を示した。そして1980年より古い基準で建設された耐震補強が必要な橋梁の耐震補強率は15年度末の57・9%から、21年度は100%の達成率を目標とする。
これらの目標値について木下議員は「実現不可能な数値ではなく、頑張れば実現できるという内容にした」と説明。
また「商業などの都市機能が適切に配置された」という一文を加えた。県民が暮らしやすいまちづくりを推進するためには、都市基盤の整備とともに、商業などの都市機能の適切な配置も重要であることから、趣旨を追加すべきとしている。
このほか「大雪、ゲリラ豪雨、竜巻等による災害に的確に対応するための体制の整備」も明記した。