富山県企業局は、17年度当初予算案に立山温泉地域地熱資源開発調査事業として5億円を計上、掘削調査に着手する。
立山カルデラ内の立山温泉跡地周辺では、100度近い熱気が出る噴泉や地中温度が推定150度以上の温泉が複数存在することが判明。今年度は地表から電磁探査や重力探査、地質・地化学調査を実施し、金山谷、兎谷の噴気帯2カ所で地熱貯留層の存在を示唆するデータが確認され、総合解析を行った。掘削調査の補助申請に向け、JOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)と協議を進めている。
17年度は井戸を掘り、地中の具体的な熱分布などの地熱資源量を把握する。その後、地熱発電所建設に向けた事業化の精査を行い、事業計画を策定。環境アセスメントなどの手続きを経て着工する。運用開始までには約10年程度を見込む。
県内には全国第2位の熱資源開発賦存量(設備容量98万キロワット)があり、地熱利用による地域振興についても検討する。