金沢市は24日、2017年度当初予算案を発表した。一般会計は実質で前年度当初比1・0%増の1697億3000万円。11特別会計と8公営企業特別会計を合わせた予算全体では同0・5%増の3323億2150万4000円となった。山野之義市長は予算の性格を「市民と共に明日の交流拠点都市を築く重点戦略予算」と説明。地域経済の活性化に向け、国の経済対策に呼応した補正予算を含め対前年度比8・5%増、約249億円の公共事業費規模を確保した。
新年度当初予算案は「世界の交流拠点都市を実現するための重点戦略計画の着実な実践」、「地域コミュニティの醸成・充実を念頭に置いた施策」、「東京オリンピックなどを見据えた施策の推進」の3つに重点を置いた。山野市長は「交流拠点都市の基盤となる地域コミュニティの醸成・充実につながる積極的な予算」と表した。
大型事業では第二庁舎(債務含め約56億円)や建築文化拠点施設(同約18億円)、城北市民運動公園の屋内広場(同約13億円)、長土塀青少年センター(仮称)(同約12億円)などの建設工事に着手する。老朽化が進む公共インフラの再整備に向け、既存基金を統合するとともに、インターナショナルブランド用地の売却資金を活用し、「公共施設再整備等積立基金」を創設、約36億円を積み立てる。
当初予算案は来月3日に開会する市議会3月定例月議会に提出される。
主要事業は次の通り。
▽金沢都心軸創生事業費 1200万円 片町地区の老朽ビルの再整備計画を策定
▽金沢駅武蔵南地区市街地再開発事業費 4億4200万円 再開発ビルの実施設計等を支援
▽近江町市場暮らし・にぎわい再生事業費 1280万円 仮設店舗の設置を支援
▽中心市街地まちなみ形成事業費 550万円 (新)横安江町ゾーン
▽金沢外環状道路整備事業費 6億1800万円 (新)千田高架橋新設工事(函渠工事、地盤改良工事など)
▽(新)緑住宅建替事業費(第3期) 2億6090万円(債務負担6億6300万円) 建設工事に着手
▽城北市民運動公園整備事業費 5億1700万円(債務負担8億500万円) 屋内広場建設工事、周辺広場整備工事、駐車場実施設計など
▽卯辰山公園開園100年魅力向上事業費 1億6650万円 (新)眺望の丘(仮称)整備など
▽雨水幹線築造事業費 6億823万円 (新)大野川左岸地区貯留施設実施設計、(新)小坂町雨水管渠など
▽中央卸売市場・施設設備長寿命化対策調査費 300万円
▽(新)防犯灯LED化事業費 (債務負担11億4000万円) 民間活力を導入するESCO事業により防犯灯をLED照明に一斉更新
▽次期廃棄物埋立場建設事業費 17億3284万3000円 (新)建築・付帯設備の実施設計に着手
▽(新)旧埋立場跡地整備事業費 3億8428万円 用地の再整備と基盤整備に着手
▽私立保育所等緊急整備費補助 4億3820万円 増改築―まこと保育園、キッズみなと園など3カ所 改修―浅野保育所、あおば保育所など4カ所
▽夜間急病診療所移転整備事業費 2億3110万円 駅西福祉健康センターへの移転整備を本格化
▽文化ホールリニューアル事業費 3億4470万円(債務負担17億2820万円) 耐震化を図るための改修工事に着手
▽卯辰山工芸工房リニューアル事業費 1900万円 実施設計に着手
▽(新)スポーツ施設整備計画策定費 330万円 スポーツ施設の整備や既存施設の計画的改修に向けて、整備計画を策定
▽(新)市営総合プール解体事業費 400万円 解体に向けた実施設計に着手
▽(新)特別支援教育サポートセンター(仮称)整備基本計画策定費 300万円 施設規模や配置計画、整備スケジュールにかかる基本計画を策定
▽泉小学校・泉中学校建設事業費(用地取得費) 13億1000万円 泉中学校の体育館などの整備に向けて、金沢大学弥生地区用地を取得
▽森山町小学校校舎改築事業費 1億7950万円(債務負担8900万円) 仮設校舎の建設に着手
▽(新)戸板小学校校舎増築事業費 1700万円 校舎増築に向けた実施設計に着手
▽長土塀青少年交流センター(仮称)整備事業費 1億8774万円(債務負担10億3530万円) 建設工事に着手
▽防災情報システム構築費 2700万円 (新)危機管理センターに整備するシステムの実施設計に着手
▽高機能消防通信指令費 2億102万1000円(債務負担12億3000万円) プロポーザル実施、実施設計
▽(新)中央消防署小立野出張所建設事業費 1億8029万6000円 実施設計に着手
▽(新)金沢歌劇座MICE機能強化事業費 350万円 コンベンション機能の充実に向けて、施設規模や事業スキームなどを検討
▽インターナショナルブランドホテル事業化促進費 5億1000万円 (新)汚染土壌の撤去、(新)交差点改良実施設計、(新)無電柱化実施設計など
▽(新)建築文化拠点施設整備事業費 4億460万円(債務負担14億6800万円) 建設工事に着手
▽金沢美術工芸大学移転整備事業費 970万円 金沢大学工学部跡地への移転整備に向けて、周辺の住環境に配慮した施設の構成や配置、設備機能などを定める基本計画を策定
▽(新)新しい交通システム導入環境整備事業費 1200万円 影響調査を実施し、環境整備による効果を検証(都心部周辺主要道路及び細街路交通量調査など)
▽第二庁舎整備事業費 3億4170万円(債務負担52億7500万円) 老朽化した本庁舎南分室を解体し、建設工事に着手
▽(新)公共施設再整備等積立基金積立金 36億180万円 公共施設の再整備や新たな施設整備に備え、基金を創設
▽(新)公文書館整備基本計画策定費 230万円 基本計画を策定