松戸市は2017年度当初予算案に、新拠点ゾーン基本計画費8000万円を盛り込んだ。区画整理事業の事業計画案、公共施設の基本構想案の二本立てで検討を行う。このうち区画整理事業は、約7haを検討範囲とするほか、公共施設基本構想案では、市庁舎をはじめ松戸駅周辺に立地する公共施設の移転・建替え等の方向性を検討する。このほか、新拠点ゾーン内の松戸中央公園再整備基本計画費1000万円も予算案に盛り込んだ。
新拠点ゾーンは、松戸駅周辺で唯一、まとまった開発余力を持つ駅東側の地区。区画整理事業範囲として検討を進めているのは、公務員宿舎(相模台住宅)跡地、松戸中央公園(都市計画決定面積2・1ha)、市道、法務局跡地、相模台公園(都市計画決定面積0・4ha)、それに一部聖徳学園用地及び個人地権者の土地を含む約7ha。
大部分が国有地で地権者の数が少なく、低未利用地であることから、地権者の合意形成が比較的容易だとして、市の公共施設再編と一体となった土地区画整理事業による新たなまちづくりを検討する。
市は昨年6月に、関東財務局と松戸駅周辺地区において最適な土地利用を図る覚書を取り交わすとともに、UR都市機構とは、まちづくりの推進に関する基本協定及び、業務の実施に関する協定を締結。新拠点ゾーンを含む松戸駅周辺全体のまちづくりに向けた検討を進めている。
新拠点ゾーンは、これまでに策定した基本構想で、「官舎跡地や松戸中央公園等の一体開発により、ランドマークとなる多機能拠点づくりを行う」を取り組みの方向性とし、@多機能拠点の整備A松戸中央公園の再整備Bアクセスルートの整備を行うとしている。
多機能拠点に関しては、豊かな市民活動をサポートする新しいタイプの複合施設(文化・子育て・教育・商業・公共公益的施設等)を配置。相乗効果を高めるため松戸駅東口や松戸中央公園との調和・連携を図るとともに、高低差のある地形を生かした建物形態にして機能的に施設を整備。交通環境への改善を図るため、駐車場・駐輪場等も併せて整備する計画。
また、松戸中央公園については、多機能拠点の整備に併せて公園の配置を見直すとともに、駅近傍の貴重な緑地空間や防災拠点として魅力ある公園に再整備。賑わいや交流を図ることができる空間として、イベントスペースなどを創出するなどとしている。
考慮すべき事項として、公共施設の再編、国有地の取得、用途地域・公園・道路などの都市計画の決定及び変更、相模台公園の移設、多機能拠点の核となる商業・業務等施設の誘致などを挙げている。
松戸駅周辺には、市庁舎や衛生会館、勤労会館、ゆうまつど(女性センター)、図書館、市民劇場、文化ホール、市民会館等が点在。今後、公共施設等総合管理計画に基づき、新拠点ゾーンの整備に併せて再編整備を図る方針で、17年度に移転・建替えの方向性を検討し基本構想案を作成する。
学識経験者等による松戸駅周辺まちづくり委員会からは、すべてを新拠点ゾーンに集約するのではなく、一部の施設は地域において再整備することで、地域の活性化と回遊性の確保につなげてほしいとの意見も出ている。
昨年度委託した松戸駅周辺地区まちづくり整備基本計画検討業務は、日建設計が担当している。