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日本工業経済新聞社(埼玉)
2017/02/22

【埼玉】埼玉設監協が熊谷ラグビー場見学

 埼玉建築設計監理協会(田中芳樹会長)幹部らは17日、2019年に開催されるラグビーワールドカップの会場となる熊谷ラグビー場(熊谷市上川上地内)を視察した。県が計画している改修計画の全容を研究するためで、設計段階から施工者が参画するECI方式について説明を求めるなど、これまでの経緯を確認するとともに、初弾工が始まって間もない現場をスタンドから確認した。
 当日は都市整備部公園スタジアム課の松井直行副課長らが応対。
 田中会長は見学会開催のお礼を述べた後、「県内で開かれることは大変名誉なこと。世界中から集まる選手、観客に十分なおもてなしができる施設となることを期待しております。ぜひ我々地元の設計業者もご協力できることがあればと思います。そのためにも、こうして見学をして事実をよく知り、勉強しなければと考えております」とあいさつ。
 引き続き、県側から改修のコンセプト、施設概要、整備スケジュールなどが説明された。
 会員からは新しい契約方式として採用されたECI方式についての質問が多く出され、採用の経緯や同方式のメリットなどについて報告を受けた。
 松井副課長は「請負者を早い段階で決め、ダイレクトに現場で行われる設計を取り入れ、発注者、設計者、施工者の3者で協議しながら進めることで、建設コスト縮減と工期短縮を目指す」と解説した。
 設計は鰹シ田平田設計。新スタンドほか建設工事は清水建設滑ヨ東支店が担当。改修は16年からの3カ年計画で、総額約124億円を投入する。
 規模はRC造一部S造4階建て延床面積約2万8000u(新スタンド約1万7000u、既存スタンド約1万1000u)。客席は約2万4000席で、貴賓室、VIP室、ビューボックスなどを設け、夜間競技用照明設備、大型映像装置などを備える。ワールドカップ開催時には仮設席6000席を設置。改修により既存のフィールドから約1m盛土するなど、臨場感あふれるスタジアムに生まれ変わる。
 現場は一部解体工事などの完了を受け、杭打ち準備などを行っている段階で、スタンドから施設を見学。今後の工程などを確認した。
 なお、ラグビー場の見学を終えた一行は熊谷市役所を訪れ、基礎免震構造を見学した。

 ※ECIとは「アーリー・コントラクター・インボルブメント」の略。設計段階から施工者が関与する仕組み。設計段階の技術協力実施期間中に施工の数量・仕様を確定した上で工事契約を交わす。施工者は発注者が別途契約する設計業務への技術協力を実施。この方式では別途契約している設計業務に対する技術協力を通じて、当該工事の施工法や仕様などを明確にし、確定した仕様で技術協力を実施した者と施工に関する契約を締結する。