三重県、2017年度当初予算案を発表した。県土整備部、農林水産部の一般会計の公共事業費(直轄、受託公共、災害復旧、特別会計含む)の17年度当初分は760億4503万円となり、16年度当初予算と比較すると、約83億円の減で、当初比9・9%減となった。予算編成に当たり「県民の暮らしに必要な予算は確保した」というものの、公共事業費全体としては厳しい予算となった。
県土整備部、農林水産部を合わせた17年度当初の公共事業費の内訳を見ると、国補公共事業費合計が366億5164万円で同8%減、県単公共事業費合計が141億9999万円で同23・1%減、直轄事業負担金合計が147億1820万円で同16・7%減、災害復旧事業費合計が84億9123万円で同11・7%増、などとなった。(部別は表参照)
部別の特徴を見ると、県土整備部は全体で709億4218万円を計上した。前年度当初と比べると75億円の減で、同9・6%減となった。
柱となる事業を見ると、道路網の整備では、高規格幹線道路および直轄国道の整備促進に107億円2716万円を投入。同比では約5億9000万円の減となった。主な幹線では、新名神高速道路の全線、東海環状自動車道の一部の18年度供用に向けて整備促進を図る。県管理道路の整備推進には、111億0297万円を投入。同比では約16億円の減となった。国道422号三田坂バイパスや国道477号湯の山道路などの整備を進める。河川関係では、河川改修事業には19億3999万円、土砂災害防止施設整備に25億1018万円、河川堆積土砂の撤去に6億5500万円を投入する。道路施設の老朽化対策では、15億9141万円を充て、橋梁69橋、トンネル11本などで修繕を行う。
災害対応では、海岸堤防の地震・津波対策に17億4470万円を投入し、堤防整備などを進める。河川管理施設の地震対策に4億6613万円を投入し、水門の耐震対策などを行う。新規で宅地耐震化推進事業に着手し、被害想定地域の把握に努める。
流域下水道事業では、使用地域の拡大に向けた事業に42億4718万円を投入し、志登茂川浄化センター整備(18年4月供用開始予定)などを促進する。老朽化・耐震対策には15億9229万円を充てた。
ソフト事業では、公共事業推進の支援事業として、建設業人材定着事業、建設業参入支援事業を継続する。
農林水産部は全体で304億1079万円を計上した。前年度当初に比べ約16億円の減、同5%減となった。主な事業では、治山事業に31億5052万円、基幹土地改良施設防災機能拡充保全事業に5億1467万円、高度水利機能確保基盤整備事業に4億3303万円、県営かんがい排水事業に2億7858万円、林道事業に4億0420万円などを計上した。
防災対策部は、北勢広域防災拠点整備などの広域防災拠点施設整備事業に2億0204万円を充てた。健康福祉部は、建設中の子ども心身発達医療センター(仮称)などの整備に7億8215万円、介護サービス基盤整備(補助金)に11億4881万円を計上した。
環境生活部は、産業廃棄物の環境修復事業に33億2270万円を充てる。地域連携部は、三重とこわか国体などの開催に向けて、「三重交通Gスポーツの杜」のうち、伊勢事業に53億4360万円、鈴鹿事業に4億3001万円を計上、県営ライフル射撃場事業に2億3911万円を計上した。
教育委員会は、県立学校校舎その他建築費に10億0631万円、特別支援学校施設建築費(松阪あゆみ特別支援学校建設など)に15億5755万円を充てた。
企業庁は、311億8140万円を計上。前年度当初に比べ約33億円の減、同9・6%減となった。内訳は、水道事業に154億2610万円、工業用水道事業に131億5294万円、電気事業に26億0234万円を配分した。主な事業では、老朽化対策に44億1868万円、耐震化に15億8550万円、配水運用の強化などに21億3562万円を充てた。
病院事業庁では、病院施設・設備整備事業に2億9533万円を予算化した。
警察本部も同日に予算案を発表し、386億0729万円を計上した。前年度比で1・2%減となった。主な事業では、四日市北警察署など庁舎整備に17億9898万円、交通安全施設整備事業に10億1934万円を充てた。
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建通新聞社