東京都の小池百合子知事は2月22日、2017年第1回都議会定例会の開会に当たって所信表明し、“東京大改革”の一環として、1者入札や最低制限価格、予定価格の事前公表など入札制度の見直しを進める意向を示した。17年度予算案については「過去最高となる382件の新規事業を盛り込むなど“大義あふれるもの”に仕上がった」と強調。市街地の不燃化や延焼遮断帯の形成、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化といった「燃えない・倒れないまちづくり」、集中豪雨への対策、無電柱化などの取り組みを着実に進める考えを打ち出した。
小池知事は、現在そして未来の都民への責任を果たすため「東京大改革を進めなければならない」と述べ、その内容を「透明性を根付かせ、新たな発想を常に生み出すために自律改革を重ね、都政の手法と体質を変えること」「都民と共に大義のある政策を進め、誰もが生き生きと輝ける東京の明るい未来を築くこと」だと説明。その一環として入札制度について触れ、都政改革本部会議が指摘している「1者入札、最低制限価格、予定価格の事前公表」の見直しを検討する方針を示した。
自身の指揮の下で策定した総合計画である「2020年に向けた実行プラン」に関しては、「セーフシティ、ダイバーシティ、スマートシティの三つのシティ」の実現に向けた道筋を明らかにし、東京のさらなる成長のための四つの挑戦と五つの戦略を掲げたと説明。都民の共感を追い風に「未来への航路を突き進んでいく」と決意を述べた。
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会については、費用負担や輸送、治安対策などを組織委員会、国、関係自治体と連携して対応するとし、他県の仮設会場整備については「都が(費用)負担することも排除せず検討するよう事務方に指示した」ことを明らかにした。
パラリンピックを「誰もが優しさを感じる社会を実現するための契機にしたい」とも述べ、都道や区市道のバリアフリー化、鉄道駅へのエレベーターやホームドア設置などの取り組みを進めていく考えを示した。
さらに、大会の成功には「東京の安全・安心の確保が不可欠」だと指摘し、市街地の不燃化や延焼遮断帯の形成、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化、集中豪雨対策などに着実に取り組む方針を打ち出した。無電柱化を加速するため、基金を設置し、都道への電柱新設の禁止や技術開発の推進などを定めた条例案を早期に策定する意向も示した。
提供:建通新聞社