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福島建設工業新聞社
2017/02/22

【福島】万葉の里風力発電所/国内最大級4基起工へ

 鞄相馬サステナジー(南相馬市原町区大町3の30、佐々木幸一社長)が南相馬市鹿島区沿岸に建設する「万葉の里風力発電所」は、4月17日に起工式が行われることが決まった。国内最大の風車(直径が92b)を持つ風力発電機4基を設置。30年1月に試運転、同3月31日から本運転を開始する。発電した電気は系統線を通じて東北電力に売電する。事業期間は20年間。
 同社は地元の石川建設工業、庄司建設工業、恒栄総合設備、相栄など建設企業と、くろしお風力発電(日立パワーソリューション、日立キャピタル)が出資する特定目的会社(SPC)。地元企業の出資比率は40%。
 事業費は建設費31億800万円、電力負担金139万円など。事業期間中は地元貢献活動などに総額1億8800万円を充てる。
 プロジェクトは23年8月に、SPCが南相馬市復興パートナー企業となり、27年8月に市復興計画に盛り込まれた。環境アセスメントは25年11月に完了、26年7月に設備認定を受けた。系統線連繋は昨年12月に完了している。今後は3月末までに市と事業用地賃貸借契約を締結し着工する。
 発電所は震災復興のシンボルとして、津波被害が大きかった南相馬市鹿島区の真野川河口北側に計画した。ドイツのエネルコン社製、出力2350`hの風力発電機を採用。海上輸送で相馬港まで運ぶ。施工は若築建設に決まった。地元企業が基礎工事などに協力する。
 この地区ではソーラーパワー南相馬鰍ェ約50fの用地で「南相馬真野右田海老太陽光発電所」を建設しており、変電所までの系統連繋高圧線は南相馬サステナジーと共同で利用する。
 地域貢献事業として、観光の対象となるよう周辺の緑化・環境整備、伝統芸能存続への協力のほか、地元植生保存会と協力してバラ科のマルバシャリンバイ(車輪梅)や伐採される「かしまの一本松」の後継樹植樹、記念碑設置などを行う計画だ。