石川県は16日、2017年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度当初比8・2%減の5321億2400万円で、16年度当初予算に計上した臨時的経費を除くと同0・3%増となった。併せて、16年度第1次3月補正予算案も示した。新年度から金沢城公園鼠多門の復元、寺井警察署庁舎の移転整備などに取り掛かる。
投資的経費は前年度当初比0・3%増の918億2200万円(新県立中央病院建設事業費含め同2・5%増)で、うち補助・直轄事業が同3・8%増の612億1000万円、一般単独事業が同9・1%減の265億600万円(新県立中央病院建設事業費含め、防災行政無線整備費を除くと同5・8%増)。
新年度当初予算について、谷本正憲知事は記者会見で「新たな長期構想策定から2年目であることも念頭に入れ、平成32年の東京五輪や平成34年度の新幹線敦賀開業を見据え、石川県をさらに一段上のステージへ飛躍、発展させたいとの思いで編成した」と述べ、加えて「昨年の国の第2次補正予算にかかる追加認証など、早急な対応が必要となる事業を通常の3月補正予算と切り離し、第1次3月補正予算として17年度当初予算と合わせて編成している」と説明した。このほか、東京国立近代美術館工芸館の移転整備に係る実施設計、新県立図書館の基本設計に着手することや、金沢みなと会館の改築などを含む金沢港機能強化整備に向けた基本計画及び基本設計を進めていくことにも触れ、各施策の着実な実施に意欲を見せた。
主な事業は次のとおり((新)は新規)。
▽(新)「金沢港機能強化整備計画(仮称)」に基づくCIQ・待合施設整備等の早期着工に向けた基本設計 8200万円
▽クルーズ船受け入れに向けた無量寺岸壁の水深10メートル化整備(早期供用に向けた工事促進など) 5億4400万円
▽大浜国際物流ターミナルの整備(大水深岸壁の整備〈航路泊地、西防波堤〉) 5億5890万円
▽東京国立近代美術館工芸館の移転整備((新)実施設計など) 9000万円
▽金沢城公園の整備((新)鼠多門の復元工事着手、(新)鼠多門橋実施設計、二の丸御殿の総合的な調査研究など) 債務を含め23億1886万9000円
▽新たな県立図書館の整備推進
・(新)文化立県、石川の新たな「知の殿堂」の創造(基本設計など) 1億6800万円
・金沢大学工学部跡地へのアクセス道路整備((新)測量、設計) 2000万円
▽(新)木場潟カヌー競技場の整備支援 1300万円
▽広域交流ネットワーク道路の整備〜「ダブルラダー輝きの美知」構想の推進〜
・地域高規格道路等の整備(のと里山海道4車線化、金沢外環状道路海側幹線など) 債務を含め43億5749万6000円
・広域交流幹線軸道路の整備((新)七尾外環状道路など) 債務を含め47億852万6000円
・交流、物流拠点連結道路の整備((新)国道304号清水谷バイパスの工事着手など) 債務を含め32億7850万4000円
・観光周遊道路の整備((新)奥能登絶景海道・寺家パイパスの工事着手など) 債務を含め9億6597万9000円
・地域間交流道路の整備(能都内浦線真脇トンネルなど) 11億9775万4000円
▽市街地の交通渋滞解消((新)鳴和三日市線中島大橋架替等の工事着手、(新)兼六駐車場建替の実施設計など) 債務を含め8億7412万4000円
▽市街地再開発事業への支援(金沢駅武蔵南地区の(新)実施設計、解体工事) 1億1320万円
▽無電柱化を核とした街なみ景観形成(湯元和倉温泉駅線など) 11億6351万8000円
▽木場潟公園・東園地の整備((新)基本計画) 1200万円
▽能登歴史公園の整備((新)公園センター建設など) 債務を含め3億6968万円
▽いしかわ動物園の魅力アップ((新)トラ舎の増築実施設計など) 2500万円
▽県営住宅の建設((新)内灘町白帆台団地(仮称)の工事着手など) 債務を含め14億8328万5000円
▽児童福祉施設の整備支援(認定こども園・保育所26施設ほか) 12億5913万円(一部3月第1次補正)
▽ほ場整備の推進((新)輪島市門前町清水など) 14億4676万円
▽用排水施設等の整備促進((新)中能登町武部山田池地区など) 14億3936万5000円
▽災害に強い県土の基盤づくり
・県水送水管の耐震化(2系統化) 40億円
・緊急輸送道路の防災対策促進(乙丸跨線橋耐震補強など) 債務を含め16億5315万3000円
・橋りょうの長寿命化補修(国道249号白潟橋など58橋) 7億248万7000円
・県立学校の耐震化 4億2214万6000円
・金沢競馬場の耐震化((新)工事着手) 債務を含め10億6000万円
▽頻発する集中豪雨に対する治水・治山対策の強化
・河川改良(米町川、犀川、動橋川など) 債務を含め34億4831万円
・最大規模の降雨を想定した洪水浸水想定区域図の作成 1億114万2000円
・砂防地すべり対策(要配慮者利用施設周辺個所の重点的整備等) 29億5151万3000円
・治山対策((新)中能登町金丸など) 12億3261万5000円
▽県立中央病院の建替え(18年1月開院) 債務を含め224億7472万8000万円
▽(新)ドクターヘリ導入による救急医療体制の充実(運航業者の選定、格納庫・給油施設等の整備など) 債務を含め15億2736万8000円
▽医療施設の整備支援(回復期病床への転換支援9カ所など) 3億824万9000円
▽寺井警察署庁舎の移転整備((新)工事着手) 債務を含め11億8677万円
▽警察施設の整備((新)大徳交番など) 1億3679万円
▽介護保険関連施設整備への支援(地域密着型特別養護老人ホーム等施設整備12カ所ほか) 7億4517万円
▽県立学校老朽化防止等に伴う大規模改修 19億7456万9000円