熊本市の平成29年度当初予算案が明らかとなった。一般会計は前年度当初比30%増の3947億9000万円で、このうち熊本地震関連が714億円を占める。投資的経費は普通建設費398億円、災害復旧費550億円の計948億円。前年度当初と比べ88%(446億円)の大幅増となった。公共施設の復旧に加え、宅地耐震化に48億円、がけ崩れ対策に16億円を充てる。【3面に詳細】
29年度を「復興元年」と位置付け、国の予算編成や財政支援の動向を踏まえ、28年度2月補正予算と一体的に編成した。災害復旧費は、28年度に補正を含め629億円を予算化しており、あわせると1179億円にのぼる。
地震関連の公共施設等復旧費は、48事業に165億9400万円。内訳は公共施設148億1800万円、土木施設9億2400万円、農業施設等4億9400万円、社会福祉施設3億5600万円。建築関係が大半を占め、具体的には、本庁舎4億1000万円、区役所・出張所5億3800万円、公立公民館・文化ホール7億5500万円、熊本城26億8300万円、動植物園4億4800万円、公設運動施設25億9000万円、市営住宅29億1100万円、消防施設4億500万円、学校施設等42億6000万円―など。現施設の復旧工事のほか、学校関係は帯山中学校校舎などの改築工事に着手する。
被災者支援・生活再建関連は41事業に547億4200万円。宅地耐震化として48億4400万円の予算で公共施設と宅地の一体的な液状化防止・地すべり防止工事に取り組む。災害関連地域防災がけ崩れ対策事業は、16億6700万円をかけて崩壊斜面等の二次災害防止のための調査設計・工事を進める。復興基金を活用し、被災宅地の地盤復旧助成費47億4800万円も付けた。
通常分(普通建設費)は補助事業208億円、単独事業188億円で、前年度当初と比べ22%、19%のマイナス。工事関係では、植木体力・健康づくり拠点整備20億3100万円(前年度当初比349%増)、国県道整備60億9600万円(同42%減)、熊本西環状道路整備20億1100万円(同64%減)、北熊本スマートインターチェンジ整備14億9000万円(同699%増)、義務教育施設整備22億6400万円(同55%増)などを計上した。植木体育館と北熊本スマートインターに工事着手する。
調査設計は、市電路線延伸検討調査300万円、シンボルプロムナード測量・基本設計4300万円、富合町土地区画整理事業基本設計等1700万円、辛島公園基本設計200万円などを盛り込んだ。
特別・企業会計は、水道、下水道、病院など19会計に総額2897億円。水道関係で、水道施設整備31億6000万円(前年度とほぼ同じ)、第6次拡張事業20億3900万円(同25%減)のほか、新たに震災復旧復興経費9億4100万円を付けた。施設復旧と災害時対応力強化に充てる。下水道関係は、未普及解消築造36億1300万円(同15%減)、水質保全築造19億3900万円(同13%増)、地震対策築造16億9200万円(同13%減)など。
提供:
西日本建設新聞社公式フェイスブックページ:「
記者 建設探訪」