高山市は、旧森邸を伝統文化交流拠点とする整備で、工事を2017年度第1四半期に発注する。現在、設備や外構などを一括で行うか分離するかなどを検討している。
旧森邸等整備は、国の社会資本整備総合交付金による事業。かつての豪商森家の邸宅だった敷地(2376平方b)にある施設を、古い街並みの景観に配慮し集約した施設として伝統文化交流拠点施設に再整備する。
敷地内に建っていた鉄筋コンクリート造3階建ての図書館は15年度に除却した。跡地は1688平方bで現在はさら地。この敷地については、防災機能を有した避難場所としての機能を持ち合わせるとともに、地域の物産品の販売や街なかイベントなどが開催できる交流広場として再整備する。ベンチや植栽なども施す考え。
また、旧図書館の敷地に隣接する空き家1棟とその用地は市が買い取った。空き家の規模は木造2階建て延べ310平方b。この空き家については、1階を伝統的工芸品などの実演や体験、販売機能を持たせ、2階は着付けや伝統文化の体験ができる施設として内部を改修する。
さらに、さんまち通り側に現存している旧森家土蔵(木造平屋116平方b)については、多目的トイレや市の情報発信、休憩スペース、特産品展示などの機能を配置する施設として改修する。
この他に土蔵(木造2階建て延べ262平方b)が2棟ある。旧図書館と一体化していて図書館の解体とともに壁が剥がれた状態になっていた土蔵は、現在修復作業を進めていて、17年度中に完了する。さらに、もう1棟ある比較的新しい土蔵と併せて、歴史的資料の収蔵施設として活用する。
設計は斐太プランニング(高山市)が担当した。
提供/建通新聞社(2017/02/20)