県が2017年度から総合評価方式見直し 工事成績評定の加点対象を引き上げ・細分化 県は総合評価方式の工事成績評定を見直し2017年度から適用する。加点対象を従来の65点以上から74点以上に引き上げたり、評価基準を5点刻みから2点刻みにするなど、企業の技術力の詳細な評価や工事品質意欲の向上につなげることがねらい。
県の工事成績評定では、配置予定技術者について過去5年間の最高点、企業は過去2年間の平均点を評価。現在の評価基準は65点〜80点を対象に5点刻みで5段階評価している。
この評価基準だと、75点〜79点まで同じ評価になるほか、79点と80点の評価差が大きくなってしまう。また、平均点以下の工事も評価している状況だ(全工事の平均点は76〜78点で推移)。九州各県の評価基準と比べても、低い点数まで加点しているほか、加点の刻みも大きいことから、今回、見直すことにした。
見直し内容を具体的に見ると、工事成績の平均点に評価の誤差を加えた「74点以上」に加点対象を引き上げ、加点を2点刻みに細分化。この結果、特別簡易型の総合評価の場合▽74点未満―0点▽74点〜76点未満―配置技術者0・3点、企業0・1点▽76点〜78点未満―配置技術者0・6点、企業0・2点▽78点〜80点未満が配置技術者0・9点、企業0・3点▽80点以上―配置技術者1・2点、企業0・4点―となる(企業の加点の新旧比較は図参照)。
県はこの取り組みで、各企業が(加点対象の)74点以上を目指すなど、工事品質意欲が向上し、業界全体の技術力が底上げされると期待している。
鋼橋上部工評価項目 県内優遇を緩和 県の総合評価方式では、17年度から鋼橋上部工の評価項目も見直す。県内企業の優遇措置を緩和し、県外企業の入札参加を促して競争性の確保を目指す。
県発注工事に限定している『工事成績評定』や、県内企業が対象の『優良工事表彰』の評価項目を変更。補正を行った上で九州地方整備局の工事成績評定も評価する。また、配置予定技術者の表彰の評価対象に「優秀施工者国土交通大臣顕彰(建設マスター)」や「九州地方整備局国土交通行政表彰・現場代理人、主任(監理)技術者表彰」を、企業の評価対象に「九州地方整備局国土交通行政表彰・優良施工業者(工事部門)」を追加する。
さらに、企業の『地域精通度』の評価のうち、「実施体制としての拠点」の配点を半減、「地域の施工実績」の項目を廃止。企業の『地域貢献度』や『従業員数』の評価項目も廃止する。
県のシミュレーションによると、これまで最大7・80点あった県内企業と県外企業の加点差が1・2点まで縮小。平均3・54点差まで縮小できるという。