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建通新聞社(東京)
2017/02/17

【東京】都審議会 都立公園の多面的活用で中間まとめ

 東京都公園審議会(会長・山田勝巳日本公園緑地協会顧問)は、2月16日に開いた会合で「都立公園の多面的な活用の推進方策」を中間的にまとめた。レストランやカフェ、屋内施設の設置といった施設整備と、樹林地を生かして学び・体感ができるプログラムの提供などを具体的な活用イメージとして提示。その上で、民間活力の発揮▽都立公園の公共性の確保▽官民による連携・協働の推進―の三つの観点から施策展開を求めるとともに、民間や地域の機運醸成と慎重な制度構築が必要だと指摘した。都民意見の反映手続きなどを経て5月に答申を取りまとめ、都の施策に反映させる考えだ。
 同審議会では、都立公園の多面的な利用について、民間事業者やNPO法人、エリアマネジメント団体などとともに具体化することを想定。施設の設置・運営といった公園内での取り組みと、まちづくりとの連携など公園周囲とのつながりの二つの観点から、活用のイメージを提示した。
 公園内では、来園者がそれぞれの楽しみ方を見つけ、快適に過ごすことができるよう、好きな場所でいすや敷物を使って飲食できるレストラン・カフェの設置を具体例として挙げた。天候などにかかわらず公園を利用できるよう、インドア・プレイグラウンドや、バーベキューなどもできる屋根付き施設の設置も考えられるとした。
 併せて、樹林地を生かして子どもが遊び、体感できるフィールドアスレチックスなどのプログラムの提供、テントでの宿泊など野外体験の提供といったソフト面の取り組みも例に挙げた。
 まちづくりとの連携では、都立公園と再開発などによる緑や広場空間を結び付け、エリアマネジメント団体などと連携してさまざまな活動を展開することで、周辺エリアの価値を高めることができると指摘。さらに、公園のカフェが地域に開かれた場となれば、コミュニティーの形成や地域資源活用の拠点となり、街の魅力を向上させられるとした。
 その上で、多面的な活用を促すための方策として、民間からのアイデアやノウハウを広く公募し、それらを発揮できる公園を選んで事業を実施することを提案。実現性に関する事前のヒアリングや、ハード・ソフト両面からの提案、必要に応じた計画・基準類の見直しなどにも言及した。
 また、公園の公共性を確保するため、公園に関する計画などとの整合や周辺への配慮、サービス・デザイン・安全性などの評価を求めている。
 導入施設の管理・運営を民間、公園全体の管理・運営を行政が担うなど役割分担を明確にし、公園の価値向上に向けた適切な維持管理を連携して行うなど、官民の連携・協働を推進することも重要だとした。
 一方、事業の実施に当たっては、民間や地域の機運の醸成、慎重な制度構築が必要だと指摘し、多面的な活用の取り組みを評価しながら、段階的に進めていくことを提案している。

提供:建通新聞社