日本工業経済新聞社(茨城)
2017/02/14
【茨城】県が主要会派へ新年度予算案を事前説明
県議会最大会派のいばらき自民党が13日に県から受けた事前説明によると、2017年度当初予算案の公共事業費は前年度当初比8・8%増の約1190億円となる。国補分が8・1%増の約980億円、県単分が12・2%増の約205億円。重点施策として緊急輸送対策強化に200億2000万円、津波対策強化に140億4200万円などを配分。新規ではあすなろの郷建て替えに向けた基本構想策定に着手するほか、建設業における若年技能者育成支援に4200万円を盛り込んだ。
いばらき自民党の森田悦男政務調査会長は「公共事業や活力あるいばらきづくり、住みよいいばらきづくり、少子化対策など、全般的にバランスの取れた予算なのではないか」とした上で、「いばらき自民党としては、これから予算内容や条例改正案などについてよく調査し、定例会に臨みたい」と話した。
一般会計の予算規模は約1兆1120億円。前年度当初比0・8%減だが、東日本大震災関連を除くとほぼ横ばいとなる。このうち投資的経費は約1460億円で、公共事業費の増加に伴い5
%増加した。国補公共事業は、東日本大震災関係の道路整備や津波対策により8・1%増。県単は12・2%増の205億円で、要望の多い道路補修や河川の整備、通学路の安全対策などを進める。
重点施策では、災害に強い県土づくりとして、緊急輸送対策強化事業と津波対策強化事業が増額。関東・東北豪雨対応の治水直轄事業負担金は25億6400万円となった。新規では総合治水計画策定に取り組む。
人が輝くいばらきづくりでは、県営体育施設再整備事業に15億7800万円を予算化し、水戸市の東町運動公園再整備に係る支援や合宿施設に係る基本計画を策定する。
活力あるいばらきづくりに向けては、茨城国体関連道路整備として、国体会場などへのアクセス道路整備に30億2200万円を計上。県単公共では、道路緊急修繕に9億8100万円、通学路等安全対策推進に6億2900万円、観光拠点や国体会場周辺の環境整備に4億6700万円など。民間宿泊施設に対する施設整備への支援などを行うDMO観光地域づくり推進には1億7300万円を予算化した。
新規では、6300万円で茨城空港における旅客の利便性向上を図るための可動式エプロンルーフなどを整備するほか、1700万円でビックデータを活用した道路網計画等策定事業に着手する。
また、人手不足分野における人材確保を図る「いばらき地域創生人材育成プロジェクト」では、建設業における若年技能者育成支援に4200万円を配分する。
住みよいいばらきづくりに向けては、新規で、あすなろの郷の建て替えにむけた基本構想の策定に800万円を充てる。また、霞ケ浦流域重点対策推進事業に1億4800万円を予算化し、新川流域における新たな技術を活用した河川直接浄化施設を設置。県産木材を使った新築やリフォームへの支援は拡充する。