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建設経済新聞社
2017/02/15

【滋賀】下水道事業の経営戦略案 29〜40年度に334億

 大津市企業局は、29〜40年度を計画期間とする大津市下水道事業中長期経営計画(経営戦略)案をまとめた。計画案によると、管渠・ポンプ場・処理場の長寿命化など総事業費334・3億円をかけて、未整備地区の解消や地震対策、施設維持管理・改築更新を進める。
 また、計画期間を前期(29〜32年度)、中期(33〜36年度)、後期(37〜40年度)の各4年間にわけて達成目標を設定し、各期末時点で評価、見直しを行う。
 主な事業のうち、雨水渠整備では、10年に一度の大雨に対応するため緊急度の高い区域から整備。整備計画43河川のうち、27年度末で22河川の整備が完了、40年度までに40河川の整備完了を目指す。
 計画箇所は、▽古川(和邇南浜ほか)=29〜30年度▽おぼろ池川(滋賀里4丁目)=29〜30年度▽柳川支流(二本松)=29〜31年度▽黒津(黒津4丁目)=29年度▽浜大津排水路(浜大津4丁目)=30〜33年度▽殿田川(大萱7丁目)=30〜34年度▽雄琴排水路(雄琴1丁目ほか)=32〜34年度▽南志賀雨水幹線(鏡が浜ほか)=32〜39年度▽晴嵐1号雨水幹線(晴嵐2丁目ほか)=34〜37年度▽仁王堂川(宮川)(大江3丁目ほか)=35〜39年度▽太間川(下阪本5丁目)=36〜39年度▽神領雨水幹線(市の井川)(瀬田2丁目ほか)=37年度〜▽高橋川3号(神領2丁目ほか)=39年度〜−。
 雨水渠整備面積は27年度末実績1284・9f、各期末の32年度目標1312・3f、36年度目標1405・8f、40年度目標1550・9f。雨水貯留浸透施設設置数は27年度末実績543個、32年度目標993個、36年度目標1353個、40年度目標1713個。
 管路施設の地震対策では、災害時の防災拠点や医療拠点などの排水を受け持つ約39キロを耐震化の優先度が高い管渠に位置づけて実施している。
 計画箇所は、防災拠点及び避難地と処理場とを接続する管渠の耐震化として、▽大津・膳所北、大津1・4号幹線=L4・9q、29〜35年度▽膳所南・晴嵐幹線=L2・2q、33〜40年度▽南大萱1・2号幹線=L5・9q、29〜35年度。幹線のバイパス化による地震対策として、▽新晴嵐幹線=新設L1・0q、29〜32年度▽晴嵐ポンプ場切替(廃止)=32〜33年度。緊急輸送道路下の管渠の液状化対策及び管更生として、▽下阪本以北 緊急輸送路(国道161号)管渠=L10・8q、37〜40年度。
 水再生センターの地震対策は、15年度から耐震化施設整備を実施。重力濃縮槽(2号)の耐震化を29年度に計画、その後、T系水処理施設を36年度まで、続いてU系水処理施設の耐震化(46年度完了予定)を進める。中継ポンプ場施設は主要10ヵ所のうち、耐震化の必要があった6ヵ所を26年度末で完了した。
 長寿命化対策では、管渠総延長1434・5qのうち、特に年数が経過したコンクリート管約526qを改築更新対象とし、1年あたりの調査延長30qを目標に劣化調査を進めている。
 管渠の改築更新事業では、特に敷設年度が古い大津処理区で調査結果をもとに、26年度から工事を実施している。30年度からは事業費の平準化を考慮し、藤尾、湖南中部、湖西処理区においても実施する。改築工法は、敷設替えと更生工法に分類される。
 老朽管渠調査予定は、▽逢坂〜竜が丘=29〜34年度▽一里山=29〜30年度▽坂本〜雄琴=29〜35年度▽月輪・大将軍=31〜35年度▽秋葉台〜北大路=35〜37年度▽大江〜神領=36〜40年度▽堅田〜小野=36〜40年度▽国府・比叡平=38〜40年度。同調査結果に基づき改築更新する。
 管渠調査延長累計の27年度末実績111q、32年度目標261q、36年度目標381q、40年度目標501q。管渠更新延長累計の27年末実績4・5q、32年度目標22・5q、36年度目標39・2q、40年度目標55・7q。
 中継ポンプ場の改築更新では、標準耐用年数の概ね1・5倍を目標に延命化し、遠方監視設備の導入されていないポンプ場への対策を講ずるなど、適正な維持管理の実現を見据え改築を実施するとともに、市内のポンプ場の統廃合についても検討を進め、将来的な維持管理費の縮減に取り組む。
 中継ポンプ場設備の長寿命化対策設備数累計は、27年度末実績14、32年度目標286、36年度目標540、40年度目標702。
 処理場の改築更新では、大津終末処理場は再構築を予定。窒素除去が導入されていないT系水処理施設のさらなる高度処理化、窒素除去が導入されているU系水処理施設の延命化や将来的な施設の更新に向けた検討を進める。T系再構築事業を29〜36年度(基本設計2年、詳細設計1年、建設工事)に計画、37年度に撤去、U系再構築事業を37年度以降に計画。
 処理場設備の長寿命化対策設備数累計は、27年度末実績4、32年度目標23、36年度目標79、40年度目標132。高度処理率(窒素除去含)の27年度末実績は62・1%。36年度目標まで同じく62・1%、40年度目標100%。
 未普及対策の汚水管渠整備計画では、▽大津処理区(唐橋町、浜大津一丁目、膳所平尾町など)=L1・2q、30年度、32〜35年度▽湖南中部処理区(南郷六丁目、枝三丁目、稲津四丁目など)=L2・5q、29〜35年度▽湖西(旧大津市域)処理区(伊香立途中町、今堅田3丁目、雄琴5丁目、比叡辻2丁目、下阪本3丁目など)=L9・5q、29〜36年度▽湖西(旧志賀町域)処理区(北小松、北比良、大物、八屋戸、和邇北浜など)=L17・3q、29〜35年度。
 項目別・期別の事業費は、▽汚水管渠整備事業費=前期18・7億円、中期13・5億円、後期1・4億円、計33・6億円。
 ▽改築更新事業費(管渠長寿命化)=前期18・7億円、中期20・9億円、後期19・8億円、計59・4億円▽改築更新事業費(ポンプ場長寿命化)=前期4・9億円、中期6・6億円、後期5・7億円、計17・2億円▽改築更新事業費(処理場長寿命化)=前期18・2億円、中期46・7億円、後期36・9億円、計101・8億円。
 ▽地震対策事業費=前期9・1億円、中期7・5億円、後期3・8億円、計20・4億円▽浸水対策事業費=前期7・4億円、中期9・2億円、後期8・4億円、計25・0億円▽水環境創造事業費=前期3・2億円、中期1・9億円、計5・1億円。
 ▽流域下水道建設負担金=前期15・0億円、中期13・8億円、後期13・7億円、計42・5億円▽その他の事業=前期10・7億円、中期9・2億円、後期9・4億円、計29・3億円
 合計は、前期105・9億円、中期129・3億円、後期99・1億円、計334・3億円。