千葉港港湾計画の改訂に向けた作業を進めている県県土整備部港湾課は、新年度で同計画を策定する。このほど開催された県地方港湾審議会(会長・渡邉豊東京海洋大学大学院教授)で、千葉港港湾計画検討専門部会の設置が承認され、委員を指名。専門部会の下部組織として地方港湾審議会の幹事会を千葉港幹事部会と位置づけた。また、千葉港部会で千葉港長期構想についての審議が行われ、承認・決定した。
千葉港港湾計画は、幹事部会で素案を作成し、作成した素案をもとに専門部会で原案をまとめ、地方港湾審議会千葉港部会に最終案を諮り、その後、国の交通政策審議会に諮問、17年度中の改訂手続き完了を目指す。幹事部会、専門部会はともに各3回の開催を予定。
千葉港の港湾計画は2002年3月に改訂してから14年が経過し、千葉港を取り巻く環境が変化してきていることから、15年に千葉港長期構想専門部会を設置し、概ね20年から30年後を展望する千葉港の将来像や実現に向けた取り組みをまとめた「千葉港長期構想」について検討。
長期構想は、これまでに4回の専門部会と5回の幹事部会で審議を重ね、案を取りまとめ、昨年11月9日から12月8日の1か月間でパブリックコメントを実施。これらの検討結果を経て構想をまとめ、今回、千葉港部会で審議が行われた。今後は今回の審議での意見などをもとに3月までに構想をまとめ、公表される見通し。
長期構想案は@長期構想の概要A千葉港の現況B千葉港を取り巻く社会情勢の変化C利用者・県民のニーズD千葉港が抱える課題E千葉港の長期構想――の6項目で構成。基本理念を「千葉の経済と600万県民の生活を支える社会基盤としての千葉港づくり」とし、千葉港の将来像と目標を設定。将来像の実現に向けた基本戦略と施策展開を示した。
将来像は@グローバル化、地域間競争の時代の県内企業の発展を支える千葉港(将来都像T)A県民の生活と安心を支え、県民と共にある千葉港(将来像U)B環境を守り、人々が海を感じふれあえる千葉港(将来像V)――の3項目を設定。
具体的な施策では、ふ頭の再編・港湾機能の強化として千葉中央地区で埋め立てにより用地を確保し、ふ頭を再編するほか、民間活力を導入し、物流機能の高度化を図る。また空間利用では、物流関連ゾーンなど6つにゾーニングし、ゾーン特性を生かした空間利用となるよう施策を展開する。