日刊建設工業新聞
2017/02/10
【鳥取】16年度繰越総額は223億円規模 全体予算の約4割に相当 国第2次補正で急増
県土整備部は、2016年度内に完成が見込めなくなった土木公共事業223億5000万円を9日までにまとめた。2月補正後の同部土木公共事業費は529億6000万円。うち約4割(42・2%)に相当する事業量を17年度に持ち越す。繰越額は近年、減少傾向が続いてきたが、16年度は国経済対策の第2次補正が大型となり増加に転じた。
22日開会予定の2月定例県議会に同部が要求する繰越額は97億円。11月県議会までに承認された126億5000万円と合わせ総額は223億5000万円となった。
近年は「発注の平準化」が進み、予算執行の障害になる比較的大きな災害もなく、繰越額の推移は14年度以降、徐々に減少してきた。
ところが16年度は、秋に成立した国第2次補正が補助と交付金だけで70億円規模と大型になった上、昨年10月に発生した県中部地震が重なり、繰り越し量の増加につながった。
16年度の繰越額223億5000万円は前年度同期157億円を大きく上回り、13年度の241億円に次ぐ規模。
17年度前半はこれら繰り越し事業に、上積みした「ゼロ県債」事業24億円が加わる。このため16年度当初に比べ、県下で稼働する現場は格段に増えることになりそうだ。
同部が2月補正に要求する主な繰り越し事業は、県中部地震関連の「建設災害復旧費」県道三朝中線ほか2億2600万円、国道178号岩美道路の1億6000万円、国道313号倉吉関金道路の3億円、県道三代寺宮下線・中郷橋の4700万円など。
このうち年度内に執行を残すものは、翌債工事として17年度にまたいで工期を設定。2月県議会で補正予算を含めた先議議案が採決される3月6日(予定)以後に入札する。
2月補正に要求する各事業別の繰越額は次の通り。カッコ内は繰越総額
※一般公共事業79億8300万円(185億7200万円)
▽道路橋りょう事業=52億1300万円(113億4000万円)▽街路事業=4億3200万円(5億3200万円)▽河川事業=6億4700万円(21億2600万円)▽海岸事業=3000万円(4億3000万円)▽ダム事業=7300万円(3億3500万円)▽砂防事業=10億7200万円(27億2200万円)▽港湾事業=7400万円(〃)▽治山事業=2億6200万円(7億7300万円)▽漁港事業=1億7700万円(2億3700万円)▽災害公共事業=4億8100万円(14億6100万円)
※一般単県公共事業12億3500万円(14億6500万円)
▽道路橋りょう事業=1億8900万円(〃)▽河川事業=3億8200万円(4億1300万円)▽ダム事業=2400万円(〃)▽砂防事業=5億6700万円(7億6600万円)▽空港・港湾事業=2400万円(〃)▽治山事業=4400万円(〃)▽漁港事業=300万円(〃)