建設業労働災害防止協会千葉県支部(尾頭博行支部長)は7日、安全管理活動の充実を誓い、1年の工事無災害を願う「安全祈願」として、香取市内の香取神宮で参拝した。神前において「労働災害防止と安全確保」を願うとともに、建災防千葉県支部役員らが、労働災害防止活動に真摯に取り組むことを誓ったもの。災害が多発すると言われる年度末を迎えるにあたり尾頭支部長は「この時期を無災害で乗り切ることに、最大限の努力を積み重ねていきたい」と断言した。
この日は尾頭支部長をはじめ、石井良典顧問、柴田一敏、前田泰弘、伊藤靖雄、岩田丈各副支部長、古谷秀一、鎌形憲一両分会長のほか、労働行政側から千葉労働局の福澤義行局長、改田良秋・労働基準部長など総勢16人が出席。
参拝後の直会の席で尾頭支部長は「香取神宮の本殿でこの1年間の安全祈願を滞りなく執り行い、厳かな雰囲気の中で私ども建災防千葉県支部として、特に重篤な労働災害の絶滅への誓いを新たにした」と報告。
◆年初に会員事業場/死亡災害2件発生
県内建設業における死亡災害は、2011年に過去最少の11件を記録した後、3年連続で増加を続け、その後は2年連続で減少し、昨年は12件と過去最少に近い件数まで減少。「年が変わり、今年こそは過去最少の更新と初の一桁台への期待を膨らませていた」と述べた尾頭支部長は一転、1月20日付で千葉労働局長からの「労働災害防止についての緊急要請」を支部長名で受け取り、各分会に通知したことを報告。
それによると、1月5日からの1週間で、県内全産業において4件の死亡災害が発生したとのことで、尾頭支部長は「その後も増加し、建設業では2件が発生。いずれも会員事業場が関与したもので、年明け早々身が引き締まる思いがした」と弁。会員が関与した昨年の死亡災害は12件のうち1件。それらを踏まえて氏は「本年は今まで以上に気を引き締める必要を痛感するとともに、2件とも公共工事であるということも再確認する必要がある」と言明。
今後、災害が多発すると言われる年度末を迎えることについては「本年の現状を踏まえ、支部と分会がそれぞれの立場で、無災害で乗り切ることに最大限の努力を積み重ねていきたい」との決意を示し、あいさつとした。
◆建災防からの手を非会員事業場にも
次いで、労働行政を代表して千葉労働局の福澤局長は「尾頭支部長の話にもあったように、県内全産業では1週間での4人に加え、現段階で1月のみで8人の尊い命が失われた」と報告したうえで「非常に大きな数字であり、緊急事態だと思っている」と強調。災害の状況については「従来起きていた災害がほとんどであり、それは予防出来たはずである」と指摘し「どうやって予防対策を講じていくかで現在、健康安全課を中心に検討している」と説明。
それについて福澤局長は「例えば、建災防の会員事業場であれば、建災防を通じて自主的な活動を盛り上げて頂くということもあるが、8人の状況をみると、そうではないようである」とし「やはり、みなさんの力を借りて、会員事業場以外のところにも、建災防をはじめとする災害防止団体の今までのノウハウを展開出来ないものかと考えている」と弁。さらに「人の命は同じである。会員事業場のみならず、非会員事業場に対しても是非、何らかの方法で手を差し伸べることを労働局とともに考え、本日の安全祈願祭をそのきっかけにして頂きたい」と呼びかけ、あいさつとした。