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西日本建設新聞社
2017/02/09

【熊本】耐震強化含む450m岸壁新設 八代港「国際クルーズ拠点」始動

 八代港の国際クルーズ拠点整備が動き出した。国・県が22万d級対応の岸壁など、ロイヤル・カリビアン・クルーズ(RCL社)がCIQ(税関、出入国管理、検疫)施設と商業施設併設の旅客ターミナルを整備する。国土交通省は1月31日、官民が連携して取り組む国際クルーズ拠点に八代港など全国6カ所を選定。3日の県地方港湾審議会で港湾計画の一部変更を了承しており、年度内にも開く国交省交通政策審議会港湾分科会を経て事業着手する。
 訪日クルーズ旅客数は平成28年に過去最高の199万2000人を記録するなど、外国クルーズ船社を中心に日本への寄港回数が急増している。国交省は、安定的に寄港できる岸壁を求める船社の声に応じ、船社の投資で旅客施設を整備し、その代わりに岸壁の優先使用を認める新たな枠組みを検討。RCL社は、八代港を念頭に県と協議し、両者で国際クルーズ拠点形成計画書を作成した。
 計画によると、海上輸送網の拠点として機能するために▽岸壁(水深12b、1バース、延長450b)▽泊地(水深12b、面積2f)▽航路・泊地(水深12b、面積26f)を整備する。これにより、世界最大級の旅客船(全長361b、22万d級)が寄港可能となる。岸壁については、大規模地震時の物資輸送や住民避難などに使えるよう、240b区間を県内初の耐震強化岸壁とする。県は直轄事業での整備を求めている。
 RCL社は、埠頭用地にCIQを含む旅客ターミナルを建設する。規模などは未定だが、港湾審で県は「博多港を例にターミナル1500平方b程度、待合室1300平方b程度、大型バス160台駐車場、広場を含めて敷地面積を3・1fと見積もった」と説明した。県は駐車場などを整備し、将来的には後背地を含めた利活用を検討する考えだ。
 国際クルーズ拠点の選定時に国交省は、運用開始年を平成32年3月と示しており、重点的に整備が進められるもよう。年間の寄港目標は、運用開始時の32年に80回、10年後の42年に150回としている。

提供:西日本建設新聞社
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