建通新聞社(神奈川)
2017/02/07
【神奈川】関東地整県内事務所と神建協 「地元企業が参加しやすい工事の発注」など求める
国土交通省関東地方整備局の神奈川県内事務所と神奈川県建設業協会(神建協・小俣務会長)との意見交換会が7日に横浜市中区内で開かれた。まず、事務所側が“地域インフラ”サポートプラン関東2016に基づく「担い手確保・育成」「i―Constructionの推進による生産性の向上」などの各施策について情報提供。その後、神建協側が地域建設業者対象の県内工事量の増加をはじめ、発注時期の平準化、地元企業が参加しやすい工事の発注などを要望し、両者で意見を交わした。
事務所側を代表して京浜河川事務所の服部敦所長は、災害協定に基づく地元建設企業の地域貢献活動に対して謝意を述べるとともに、「入札契約関係の要望を多くいただいている。改正品確法はじめ担い手三法の趣旨にのっとり、受注者が適正な利潤を確保できるよう運用指針に基づいて適正に執行していきたい」とあいさつ。さらに、県内市町村に対しても「県発注者協議会などを通じて国の取り組みを情報提供し、入札制度の改善に結び付くようしっかりと責務を果たしていきたい」と述べた。
神建協の小俣務会長は、地域建設業の実情について「特に土木工事については仕事が少ない、というのが東日本保証会社のデータからも確認できる」とした上で、「来年度当初予算案の公共事業費は前年度比微増であり、われわれとしては今年度第二次補正予算に執行に注目している」と述べた。さらに、「ほとんどの自治体では厳しい財政状況下、工事がなかなか増えない。国の工事に伴って自治体の関連工事が必要となる、といった効果に大いに期待したい。併せて、入札契約制度上の問題や施工時期の偏りなどが見られる自治体もある。国の率先した指導が、改善につながることを期待したい」と求めた。
意見交換のテーマとして、神建協側は@地域建設業者対象の工事量の増加および発注・施工時期の平準化A入札契約(地元企業が参加しやすい工事の発注、落札決定までの時間短縮ほか)B現場の対応など(設計変更ガイドラインの適切運用ほか)Cその他(i―Constructionの取り組みの状況、改正品確法運用指針の市町村への積極的な指導ほか)―について提案し、事務所側に取り組みの現状と今後の対応について意見を求めた。
地元企業が参加しやすい工事発注方式について事務所側は、総合評価方式で「技術力がある企業ならば受注可能な『技術提案チャレンジ型』を実施している。また、他の案件に対しても過度な条件を求めないよう配慮するが、いずれも品質を確保する措置であることを理解してほしい。過去に要望があった配置予定技術者に求める実績要件も、同様に過度にならないよう試行錯誤しているところだ」などと述べた。
また、発注時期の平準化については「舗装工事や築堤・護岸工事などの一部について、2カ年国債を設定する取り組みを進めている」としたほか、「引き続き(工期の)余裕期間制度を積極的に活用していきたい」などと説明した。
このほか、神建協側は応札後の資格審査や、低入札価格制度の調査対象案件となった場合の審査・決定までの期間短縮などを求めた。
提供:建通新聞社