トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建設経済新聞社
2017/02/07

【京都】29年度当初予算案は9150億円台 府民公募は5億増額し35億に 医大北部Cに「がん診療棟」

 山田啓二京都府知事は6日、29年度当初予算案と28年度2月補正予算案の概要を明らかにした。
 29年度当初予算案は前年度比5・0%減の9150億円台。
 公共事業費は当初+前年度補正ベースで総額を確保。府民公募型整備事業費は5億円増額(28年度30億円→29年度35億円)する。地域経済対策101億円、公共297億円、単独163億円で合計561億円。
 新規事業をみると、農業と福祉が融合した就農事業所を支援する京都式農福連携補助金を創設。生産・加工設備、交流スペース等のハード整備を支援し、地域の拠点となる事業所に2000万円、小規模な事業所は500万円を補助する。
 高齢者共生型まちづくり(京都版CCRC)の整備、認知症にやさしいまちづくり(認知症総合センター)の整備を支援する。
 新規の丹後医療圏がん診療体制整備事業は1億5000万円規模。リニアックやPET−CT、化学療法室を備えた「がん診療棟」を府立医大北部医療センターに整備する。32年度の開設を目指す。
 府立医大附属病院では、中央診療棟5階手術室フロアに2室を増室する(現12室)。
 新規の伝統産業復活事業は2億8000万円規模。伝統産業統合補助金を創設し、商品開発及び増産を伴う設備投資に対する助成などを行い、マーケットイン型産業への変革を図る。
 新規の京都観光適正化推進事業は4億3000万円規模。主なものをみると、ホテル集中地域を除く府内全域を対象に宿泊施設の誘致を府・市町村共同で実施する宿泊施設立地促進事業に乗り出す。
 新規の京の食ビジネス改革事業は4億8000万円規模。加工処理施設等の整備に対する助成などを行う。
 地域スマートエネルギーマネジメント推進事業は2億6000万円規模。京都版シュタットベルケの創設及び京都舞鶴港エコ・エネ拠点の整備に対する助成、南部スマートバレー形成、IoTを活用した産業廃棄物の削減などを進める。
 新規の文化財保護緊急強化事業は2億7000万円規模。文化財保護の対象を広げるため府独自の「暫定登録文化財」制度を創設。災害破損・流出防止のため保存修理等の新たな補助制度を創設する。
 新規の京都移住促進プロジェクト事業は2億6000万円規模。企業の寮新設や既存施設改修による賃貸住宅整備などの助成、農家民泊や2地域居住向け住宅改修の助成も行う。
 災害緊急治水対策事業、交流促進・安全基盤整備事業、原子力防災対策事業、地震防災対策事業、府民公募型整備事業、スポーツ拠点整備事業、京都舞鶴港「海の京都(仮称)」推進事業などの基盤整備事業は343億円規模。
 由良川・桂川の国直轄河川改修、四宮川の25年台風による浸水被害解消、いろは呑龍トンネルの整備のほか、新規で宇治木屋線(犬打峠)と宇治田原山手線のバイパス整備に着手する。
 国の電源立地地域対策交付金を受け、地元市と連携した避難路整備として田井中田線他1路線(舞鶴市)、小浜綾部線他2路線(綾部市)を本格実施する。
 路線指定した緊急輸送道路の沿道建築物の耐震化のため、診断や改修等に助成する。
 亀岡市に計画の(仮称)京都スタジアム整備、新規で宇治市の山城総合運動公園に計画のアイススケート場(仮称)京都アイスアリーナの整備に予算を計上。また新規で京都舞鶴港にクルーズ船寄港回数増に対応できる観光拠点施設を整備する。
 子ども・子育て基盤整備事業に20億円、京都式地域包括ケアセカンドステージ事業(特別養護老人ホーム整備への助成等)に45億円、洛南病院施設整備計画策定に300万円を計上。新規では向日が丘支援学校周辺に係る福祉エリア構想を長岡京市と共同で策定する向日が丘共生型地域づくり構想策定に100万円を計上した。
 安心治水・治山対策事業は167億円を計上。ため池や治山ダムの整備等を進める。
 地域の中核施設の駅舎等の再生や地域公共交通の再編支援には4000万円を計上した。
 JR奈良線複線化は本体事業及び関連事業(玉水駅、新田駅、六地蔵駅)に11億円を計上した。鉄道駅舎バリアフリー化設備整備及び鉄道駅利便性向上整備事業は2億円を計上し、JR木幡駅、亀岡駅、京田辺駅、西大路駅、阪急・京福西院駅の整備を進める。
 府市協調では、保健環境研究所施設共同化事業に3億9000万円を計上し、新築工事に着手。四宮川改修事業には3000万円を計上、役割を分担し府は四宮川、市は安祥寺川の改修を進める。
 28年度2月補正予算案は約5億円程度で、大雪被害緊急対策を講じる。府管理道路の除雪費用のほか、農業生産施設緊急復旧対策(パイプハウス、果樹棚、茶園被覆棚等の復旧、撤去等(補助率1/2))、新規事業で倒壊防止のための耐積雪性能向上(変形防止のための梁(ダイバー))に要する経費を追加する。