北海道建設新聞社
2017/02/06
【北海道】4-12月のゼネコン道内受注高ランキング−上位50社総額は4133億円
北海道建設新聞社は、2016年度第3四半期末(4―12月)のゼネコン道内受注高ランキングをまとめた。岩田地崎建設が321億6200万円で、唯一、300億円台に乗せ、上半期末(4―9月)に続いて首位を堅守した。2位は官庁と民間の両土木でトップの鹿島で、宮坂建設工業が3位となり、上位3社の顔触れは上半期末と同じ。前年度同期に38位だった奥村組が北海道新幹線工事の受注で7位に躍進している。上位50社の受注総額は4133億1100万円で、4年連続して4000億円台をキープ。前年度同期に比べ2.7%、110億6000万円上回っている。分野別では民間土木と官庁建築が2割前後減らしているが、民間建築が旺盛で総額の伸びを支えている状況だ。全267社の平均受注額は25億4500万円。前年度同期より6.2%増加し、過去5年間で3番目の額となっている。
上位10社は道内企業と道外企業が半々という内訳。前年度同期と比べると、11位以下から2社がランクインした。
首位の岩田地崎建設は、上半期末から97億円余り上乗せした。第3四半期末としては2年連続でのトップ。07年度に調査の集計方法を暦年から年度に変更して以降、最高額を記録した前年度に次いで2番目に高い受注額となった。第3四半期(10―12月)は仮称・札幌市中央区南5条西6丁目ホテル新築や特別養護老人ホームアビターレアネックス、医療法人知仁会八木整形外科病院増改修などを積み上げ、上半期に続いて民間建築で1位に立った。官庁土木では一般国道275号江別市新石狩大橋P6橋脚ほか一連や道道美唄富良野線特定交付金東美唄トンネルを共同体のメインで受注している。
鹿島は273億5100万円で、上半期末と同じ2位。第2四半期(7―9月)に官庁土木でダムやトンネルを相次いで射止めて1位となった同部門の首位を守り、第3四半期は民間土木でエネルギー関連工事を受注して1位に躍り出た。この他、民間建築でビルの改修を請け負っている。
3位の宮坂建設工業は252億6300万円。前年度同期に比べ6割以上受注額を伸ばし、6位から3ランク上昇した。帯広開建発注の札内川左岸大正橋下流地先災害復旧と十勝川改修工事の内芽室太築堤河岸保護ほかを単独で落札している。
伊藤組土建が195億9600万円で4位に入った。函館開建の函館新外環状道路函館市見晴トンネルを共同体のメインで、札幌市交通局の澄川駅耐震改修を単独で受注。民間建築では、さっぽろ高齢者福祉生活協同組合のイリス東区役所前新築計画を積み上げた。
前年度同期は11位だった中山組が195億4600万円で5位。クリーンリバーが札幌市中央区や白石区、南区で計画していた分譲マンションを請け負った。
6位の大成建設は176億7000万円の受注。民間建築の仮称・ウィステリア南1条新築や北海道科学大工学部実験棟新築が主な物件で、豊浦町のバイオガスプラント工事も共同体のメインで落札している。
奥村組の受注額は128億3400万円で、前年度同期の38位から7位に大きくジャンプアップ。北海道新幹線羊蹄トンネル比羅夫ほかを共同体のメインで受注し、官庁土木で99億円余りを計上して同部門の2位となった。
岩倉建設は109億5400万円で8位。札幌市の円山動物園ゾウ舎新築を単独で落札し同部門の2位になったほか、北電の微量PCB汚染処理のうち洗浄建屋新築を受注した。
上半期末に6位だった大林組は108億7600万円の受注で9位にダウン。大型物件の受注はなく、民間建築で小口の改修やリニューアルなど約5億円を積み上げた。
西松建設が10位で、107億7800万円の受注額。仮称ふたみ青果札幌工場新築を共同体のメインで請け負った。
12位の竹中工務店までが100億円以上の受注額。前年度同期に63位だった盛永組が27位となり、松村組が53位から30位、高橋組が71位から33位、浅沼組が100位から40位に上昇した。エフリードと丸竹竹田組も上位50社に入った。
分野ごとの上位5社は、官庁土木が@鹿島A奥村組B宮坂建設工業C岩田地崎建設D伊藤組土建、民間土木が@鹿島A大林組B清水建設C日本道路D大成建設、官庁建築が@熊谷組A岩倉建設B丸竹竹田組C岩田地崎建設D大林組、民間建築が@岩田地崎建設A宮坂建設工業B大成建設C中山組D伊藤組土建―の順。
上位50社の受注総額は4133億1117万8000円で、4年連続の4000億円台。前年度同期を多少上回っているが、ピークだった13年度の4657億円には遠く及ばない。内訳は、官庁が1354億5054万1000円で前年度同期比2.9%の減少。一方、民間は5.8%増の2778億6063万7000円となっている。比率は官庁が33%、民間が67%。
官庁工事は、16年度予算が15年度補正予算を含む15カ月予算ベースで前年度に比べ増額となったことから、土木は前年度同期を上回った。しかし、建築は前年度同期に比べ2割以上落ち込んでいて、全体でのマイナス要因となった。民間工事は道央圏での投資が続いていて、建築は10%以上の伸びを示し、2割近い土木の落ち込みをカバーしている。
土木は2.9%減の1354億5054万1000円で、官庁が4.2%増の1069億6770万2000円、民間が18.9%減の369億2146万4000円という内訳。
建築は6%増の2694億2201万2000円。官庁が22.8%減の284億8283万9000円にとどまり、民間は10.9%増の2409億3917万3000円だった。
51位以下を含む1社当たりの平均受注額は25億円台に復活したが、13年度の29億円台、14年度の27億円台には届かなった。