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北陸工業新聞社
2017/02/06

【石川】新年度から鼠多門復元へ/金沢城公園第3期整備で/県公園緑地課/橋の実施設計も/

 石川県土木部公園緑地課は金沢城公園第3期整備計画に基づき、新年度から金沢市丸の内地内「鼠多門(玉泉院丸門)」復元整備工事に着手するほか、「鼠多門橋」の復元架橋に向け、実施設計業務にも取り掛かる。
 鼠多門は金沢城玉泉院丸の北西に位置し、門に取り付く形で鼠多門橋が架かり、金谷出丸(現在の尾山神社)へと通じていた。廃城後、1877(明治10)年に老朽化した鼠多門橋が撤去され、鼠多門は84(明治17)年に焼失していた。
 明治初年の古写真や埋蔵文化財調査によると、鼠多門(外周規模/南北間22・54メートル、東西間7・82メートル)は石垣の上に2層の櫓が建ち、瓦葺きで、外壁は海鼠壁だった。史料等に基づいて藩政期当時の姿に復元する鼠多門の規模はW造3階建て延べ331・78平方メートル。主要用途は門(建築基準法上は博物館)で、内部に展示室などを配する。
 実施設計は(公財)文化財建造物保存技術協会が担当。履行期間は3月27日まで。
 一方、藩政期の鼠多門橋は堀に架かり、橋脚方式の木橋(延長約29メートル、幅員約5・5メートル)とされる。復元架橋にあたっては金沢市道を跨ぐため、交通に支障がないようにするほか、当時の木橋意匠も考慮しながら設計業務の中で橋りょう形態や構造等を詰めていく。
 なお、先行して整備する鼠多門は17年度末の工事着手、21年度中の全体完成を目指す。

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