金沢市17年度当初予算案の市長査定が3日、都市整備局を皮切りに始まった。野口広好局長はコンパクトシティを目指す集約都市計画の推進や、昨年5月にグランドオープンした「片町きらら」に続く都心軸再整備の支援などに力を入れていく考えを示した。
都市整備局の予算要求では、世界の「交流拠点都市金沢」の実現を目指し、重点戦略計画の推進を加速させるとともに、北陸新幹線の開通を次のステップにつなげるため、市の個性を生かした魅力と活力あるまちづくりに積極的に取り組んでいく方針とした。
重点施策には「集約都市の形成と都心軸沿線の再生」、「移住・定住の促進」、「歴史・文化を大切にした都市景観の創出」、「安全・安心のまちづくり」、「市民との協働によるまちづくり」の5つを掲げた。
野口局長は集約都市形成計画について、「新年度は市民への周知を丁寧に進めるとともに、関係部局と連携を図りながら、将来にわたり街の魅力や活力、暮らしやすさを維持できる都市の実現を目指して推進を図る」と説明した。
中心市街地まちなみ形成事業では、引き続き片町・香林坊・広坂エリアの広坂ゾーンと柿木畠ゾーン、武蔵エリアの袋町ゾーンで、魅力と活力ある都市空間の創出を目指したまちづくりを進める方針を示した。
都心軸の再整備では、「昨年5月に片町A地区のきららがオープンし、地域の賑わいに貢献している」と話し、活力ある交流拠点都市の形成を目指し再整備を促進する考えを強調。金沢駅武蔵南地区市街地再開発、近江町市場複合商業施設の事業推進に向けて支援を行うほか、片町A地区に続く再開発が期待される金沢都心軸創生事業は「現在、地域の方々と再整備に向けた話し合いを進めているが、事業化に向けた支援を引き続き行いたい」と述べた。
このほか、移住・定住促進事業、城北市民運動公園の整備(屋内広場)、卯辰山公園の再整備(眺望の丘(仮称))、川筋景観魅力アップ事業、防災まちづくりの推進、緑住宅建替事業、既存建築物耐震改修促進事業、まちづくり条例普及啓発事業などに取り組む考えを示した。
山野之義市長は新年度予算編成について、「今年のまちづくりのキーワードは地域コミュニティーの醸成、充実。また、東京オリンピック・パラリンピックを見据えた施策にも格段に意を用いていかなければならない。そうしたことを踏まえながら重点戦略計画に着実に取り組んでいくことが金沢の未来だと考えている」と述べた。
新年度当初予算案は24日に開かれる市議会運営委員会で内示され、3月3日開会の定例会に提出される。