東京都建設局は、同局発注の公共工事の品質確保に向けた2017年度の取組方針をまとめた。業務委託へのプロポーザル方式または総合評価方式の適用の目標を、合わせて全体の4割以上に引き上げるとともに、当初契約で3月を履行期限とする案件を原則禁止して平準化を促す。工事については、地域維持の担い手確保といった地域ごとの実情を踏まえ、各事務所が総合評価方式の適用方針を定めて可能な限り活用する他、上半期(4〜9月)に契約する案件と債務負担を設定した案件で「週休2日制確保モデル工事」を原則実施する。2月3日に開いた有識者会議で了承を得た。
品質確保に向けた建設局の取り組みは、@総合評価方式などの活用A事業の平準化B担い手の育成・確保―の大きく三つの観点に沿って展開する。
総合評価方式の活用では、業務委託について、業種・業務内容・予定価格を踏まえ、プロポーザル方式と総合評価方式を適切に適用する。
土木設計と建築設計のうち基本(概略・予備)設計に相当する業務は、予定価格1000万円以上の案件に原則としてプロポーザル方式を適用。1000万円未満の案件には土木設計で総合評価方式を積極的に活用するとともに、建築・設備設計では技術提案に効果が見込める場合にプロポーザル方式を使う。測量・地質調査に関しては、予定価格1000万円未満で積極的に、1000万〜2000万円未満の案件で総合評価方式を原則適用し、技術提案による効果が見込める場合はプロポーザル方式とする。
工事については、WTO政府調達協定案件に総合評価方式を積極活用し、財務局が契約する大型案件に原則として適用する。これ以外の案件は、地域維持の担い手確保など地域ごとの実情を踏まえ、新たに各事務所で適用方針を定め、可能な限り活用することにする。
事業の平準化に向けた取り組みでは、業務の3月履行期限(納期)を原則として禁止する大胆な措置を取るとともに、工事の平準化計画に合わせて債務負担行為を活用する。工事は集中記(10〜12月)と端境期(3〜5月)の契約件数の比率を2倍以下(14年度が3・1倍、15年度が2・6倍)にする目標を定める。
さらに、担い手の確保・育成に関する取り組みを新規に設定。上半期に契約または債務負担を設定した工事で「週休2日制確保モデル」を原則実施する。WTO案件で「女性活躍モデル工事」を原則実施する他、受発注者協議の上で「快適トイレ」を積極的に設置する。建設業の「魅力発信モデル工事」に関してもWTO案件で原則実施し、各事務所で3件以上実施することを目標とする。
提供:建通新聞社