大野市は、公共施設とインフラの適正な維持管理を長期的な視点で捉えた「公共施設等総合管理計画(案)」を公表した。計画期間は17年度から26年度までの10年間。概ね3年ごとに定期的な見直しを行い、社会情勢の変化に対応していく。
対象となるのは、公共施設(建築系)の庁舎・学校・公営住宅・集会施設等10類型327施設(延べ床面積は19万6139平方メートル)と、インフラ(基盤施設)の道路総延長112万2306メートル、橋梁590橋、上下水道管路延長29万8338メートルなど。
同市においては、これらの公共施設の大半が高度経済成長期の75年以降に建設。建物に関しては、築30年以上の施設の延床面積が全体の約5割を占めており、現在、多くが大規模改修時期を迎えつつある。今後30年の間には建替え・更新の時期が集中するとしている。
現状の施設保有量のまま改修、更新を行った場合、今後50年間で約1250億円(年平均25億円)必要になり、将来、更新経費の増加が財政的に大きな負担になることが見込まれる。
こうした課題を踏まえ、市では、将来更新費の不足解消に向け、財政や人口規模に応じた公共施設の総量縮減を図るとしており、22年度末までに公共施設面積5430平方メートル(2・77%)、26年度末までに更新経費8億3900万円の削減を数値目標に設定。
また、既存施設の改築に当たっては複合化やPFI事業等の民間活力導入も含め管理運営の効率化を図る。インフラ資産に関しては、予防保全による長寿命化を図ることで、ライフサイクルコストを縮減していく方針。