門川大作京都市長は2日、京都市の29年度当初予算案の概要を発表した。
全会計予算規模は1兆6896億円(前年度比2・4%増)。一般会計は7669億円(同5・4%増)、特別会計は6597億円(同2・2%減)、公営企業会計は2630億円(同5・8%増)。
一般会計は前年度と比べ392億円増だが、府費負担教職員給与費移管の影響や中小企業融資制度預託金の減、臨時福祉給付金の減などの大きな変動要因を除くと、実質前年度からほぼ横ばいとなる21億円減(同0・3%減)の微減。投資的経費は前年度と比べ8億円減の672億円。
財源捻出のため一般財源収入の精査(38億円)、財政構造改革の取り組み(92億円)、投資的経費抑制(22億円)を進める。
建設関連の主な新規事業は、京都伝統産業ふれあい館リニューアル事業(展示内容の抜本的見直しを含めた館内リニューアル。29年度は基本設計及び実施設計)1500万円、市立芸術大学・銅陀美術工芸高校移転整備事業2億9000万円、京都駅東南部エリア活性化方針の推進500万円、未来の京都の成長・発展を支える学術研究・先端産業等用地の新たな創出(市内全域を視野に一定規模以上の公有地や民有地等を対象に中長期的な観点から京都の成長・発展につなげるための有効活用に向けた検討等)1000万円、(道路)混雑緩和に向けた啓発策200万円、京都市宿泊施設拡充・誘致方針に基づく取り組み等の推進2600万円、健康長寿のための公園づくり(市内各所の公園に背伸ばしや腹筋運動にも使えるベンチなどを設置)400万円、ニュータウンの活性化に係る取り組みの推進9500万円など。
主な充実事業は、京都市美術館再整備事業7億4100万円、スポーツ施設の整備・改修の充実(西京極総合運動公園、横大路運動公園、宝が池公園体育館(仮称)の大規模施設の改修・整備、老朽化スポーツ施設の維持・修繕)9億0900万円、保育所等の受入枠拡大に向けた整備(30年4月に向けて1081人分の保育所整備等に係る予算を計上等)36億2200万円など。
防災・減災対策やインフラ老朽化対策では、浸水防除事業10億7500万円、下水道の雨水幹線の整備等浸水対策の推進45億4100万円、いのちを守る橋りょう健全化プログラムの推進26億9500万円、民間保育所等の耐震化3億0700万円、道路維持補修費・交通安全対策費の充実23億5100万円など。また新規事業で指定道路沿道建築物の耐震化対策2800万円を盛り込む。
教育関係では、新しい普通科系高校(洛陽工業高校跡地への塔南高校の移転・再編)の整備(基本計画の策定等)5900万円、新しい定時制単独高校(伏見工業高校跡地の活用)の整備3億4500万円、小学校増収容対策(御所東小新築、久世西小増築)23億0500万円、小中一貫教育校の整備(向島中学校区、京北地域)29億2700万円、地域住民・保護者が主導する学校統合の推進(醒泉小・淳風小)4億1200万円など。