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建通新聞社(神奈川)
2017/02/02

【神奈川】七沢病院民間移譲先 葵会に決定 提案価格は10億円余

 神奈川県は、県立七沢リハビリテーション病院脳血管センター(以下、七沢病院 厚木市)の移譲先を、医療法人社団・葵会(東京都千代田区内幸町1ノ1ノ1)に決定した。2月県議会に不動産の処分議案を提出。議決後4月以降に移譲する。譲渡の提案価格は10億1000万円。最低譲渡価格は9億6450万円だった。
 七沢病院(厚木市七沢1304)は、再整備を実施中の神奈川県総合リハビリテーションセンターに統合されるため県の施設としての使用を廃止する。地域医療構想で将来的に県央地域で回復期病院が大きく不足するという推計が出ているため、統合後も病院機能は廃止せず、現状のまま、公募により民間医療法人などに移譲する。譲渡先を公募し、葵会の1者のみが応募した。
 県は選定の理由として、@移譲条件を満たす提案が示され、リハビリテーションに関して豊富なノウハウと人材を有しているA川崎市において病院の移譲を受け発展させた実績があり、地域医療全体の発展に貢献する強い意欲があるB行政の施策や地域への協力的な姿勢があり、ロボット活用など特色ある独自提案も評価される−などを挙げる。
 葵会は、病院、介護老人施設、がんPET健診センター、クリニック、グループホーム、居宅介護支援事業所、学校、保育園など、全国で110以上の関連事業所を展開。神奈川県内では、AOI国際病院(川崎市川崎区)、湘北病院(相模原市)などが同グループの運営。
 移譲先選定委員会でのプレゼンテーションでは、病院運営や人材育成の実績を強調するとともに、移譲を受けた後は早急に施設の修繕、内装改修、医療機器の充実強化−などを行う考えを示した。

※敷地は5f余

 七沢病院の敷地面積は5万0296平方b。現状の建物は、本館が鉄筋コンクリート造地下1階地上5階建て延べ1万0288平方b。新館が鉄骨鉄筋コンクリート造地下1階地上6階建て延べ1万1584平方b。その他、元七沢老人ホーム居住棟、東看護婦宿舎、もえぎ寮など。施設の合計延べ面積は2万9408平方b。1966年から95年にかけて建築した施設。
 建物では、本館の耐震工事を1985年に実施。新館は82年以降の建物で耐震基準に適合している。この他の施設の耐震性能、アスベストの状況は不明。
 譲渡後の病床数は245床。病床は回復期の病床とし、100床以上を脳血管疾患に関する病床とする。できるだけ長期間(少なくとも10年間)は現在の場所で病院運営を継続。もえぎ寮は移譲後も神奈川県総合リハビリテーションに貸し出すことなどが条件となっている。
 提供:建通新聞社