県県土整備部建築指導課は、千葉県建築行政マネジメント計画(第2次)の2015年度における達成状況を公表した。それによると、建築確認申請審査日数と業務報告率は目標を達成、実完了検査率は14〜15年度に大幅に上昇、定期報告率は大きな変化が見られなかった。また、耐震化率は住宅・特定建築物ともに目標を下回り、耐震化率の向上に向けて市町村が行う耐震関連事業に対して支援を講ずるとともに、耐震性が確保されていない建築物への指導などにより耐震化を促進していく。
達成目標値は、建築確認審査日数、実完了検査率、業務報告率、定期報告率の4項目で設定。建築確認審査日数は、建築基準法6条1〜3号建築物(木造2階建て住宅程度)が7日以内、同6条第4号建築物(特殊建築物等)を35日以内とした。実完了検査率は100%、業務報告率は80%、定期報告率は60%の達成を目指している。耐震化率については、同計画では目標を定めず、耐震改修促進計画で定める。県耐震改修促進計画に基づく耐震化率は住宅、特定建築物ともに20年度までに95%を目指す。
15年度の達成状況は、建築確認申請審査日数が建築基準法6条1〜3号建築物で20・1日(14年度20・8日)、同6条4号建築物が5・2日(同7・3日)、実完了検査率が91・0%(同82・1%)、業務報告率が83・0%(同81・4%)、定期報告率が69・6%(同69・6%)となった。
建築行政マネジメント計画は、99年の建築確認制度の民間開放を契機に、指定確認検査機関等としての民間と行政の役割分担の明確化、建築規制制度の実効性確保を目的に「千葉県建築物安全安心実施計画」を経て「千葉県建築行政マネジメント計画」を策定。県、特定行政庁、指定確認検査機関及び建築関係団体などが連携しながら様々な施策に取り組んできた。その後、建築物に係る事件・事故や法改正に伴う制度の見直しなどの変化を踏まえ、15年度に2次計画を策定した。同計画の期間は15〜19年度の5か年。
15年度の計画の達成状況は次の通り。
【建築確認申請日数】
建築確認申請日数は減少傾向にあり、15年度において既に目標を達成している。今後も継続して審査能力の向上と審査業務の効率化に取り組む。
【実完了検査率】
実検査完了率は上昇傾向にあるが、14年度から15年度にかけての大幅な上昇については、完了検査受検が年度をずれ込んでいることが要因の一つとして推測される。また、目標を下回っていることから、今後も実完了検査率向上のため、リーフレットの配布等によりさらなる普及・啓発を図る。
【業務報告率】
業務報告率は上昇傾向にあり、15年度において既に目標を達成していることから、今後も継続して督促・指導を行う。
【定期報告率】
14年度から15年度にかけて定期報告率に変化が見られなかったが、これは15年度の定期報告対象建築物が少数であったことなどが要因の一つと考えられる。また、15年度においてすでに目標を達成しているが、今後も継続して普及・啓発や督促を実施し、更なる定期報告率向上を図る。
【耐震化率】
耐震化率は住宅・特定建築物ともに目標を下回っており、住宅については13年度時点で11%、特定建築物については15年度時点で3%の耐震化率の向上が必要なため、市町村が行う耐震関連事業に対して支援措置を講ずるとともに、耐震性が確保されていない建築物への指導により、耐震化を促進していく。