トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

日本工業経済新聞社(埼玉)
2017/01/27

【埼玉】NPO環境住宅が第1回地中熱利用セミナー

 NPO法人環境住宅(渡邊弘美理事長)は23日、第1回地中熱利用普及促進セミナーを浦和パルコ内のコミュニティセンターで開催した。NPO法人地中熱利用促進協会の笹田政克理事長が先進的な取り組みとして『省エネルギー政策の動向と建築物における地中熱利用の可能性』について講演。ネット・ゼロ・エネルギー住宅/ビル(ZEH/ZEB)などを紹介。住宅・建物ともに将来に向けたネット・ゼロ・エネルギー化が進行しており、地中熱はその構成要素の一つであると強調した。
 冒頭あいさつに立った渡邊理事長は「まだまだ利用度合いの低い地中熱の促進は、太陽光とともにエネルギーの地産地消を促進する大変重要なテーマだと認識しております。このプロジェクトの推進には、埼玉県がさまざまな再生可能エネルギーのメッカとなるような運動を進めることで、利用、創造の出発点になれればと大きな期待を寄せています。私ども環境住宅は、県の新しいプロジェクトの研究会に参画させていただき、技術開発の支援とともに普及、促進の役割を担ってまいりました。本日のセミナーはその一環として開催したものです」と述べ、講師を紹介した。
 当日、来賓には経済産業省関東経済産業局資源エネルギー環境部の酒匂正広省エネルギー対策課長と、(公財)埼玉県産業振興公社の関根厚新産業振興部長が招かれ、それぞれがあいさつ。
 講演では、笹田氏が省エネ法・省エネ基準の改正、建築物省エネ法、省エネ基準の適合義務化、地中熱ヒートポンプの省エネ基準計算などについて解説。注目されているZEH、ZEBの考え方や仕組み、地中熱利用の経済性と可能性、導入に使える補助金などを紹介した。
 まとめとして、笹田氏は「地中熱利用は冷暖房、給湯などの熱需要に応えられるさまざまなシステムを提供する。ことし4月から大規模建築物(非住宅)で省エネ基準の適合義務化が始まるが、地中熱は非住宅での省エネ基準の計算ができるようになっている。初期コストは他の熱源に比べ高いが、ライフサイクルコストに着目することが重要で、当面は補助金を用いて初期コスト回収期間を短縮することが地中熱の利用拡大につながる」と結論付けた。
 引き続き、その後は官庁から迎えた講師2人が講演。埼玉県環境部エコタウン環境課創エネルギー推進担当の北田国男主査が『県における地中熱エネルギーの取り組み』、さいたま市環境局環境共生部地球温暖化対策課温暖化対策係の石河舞美主事が『市における再生可能エネルギーの取り組み』について解説した。 今回のセミナーは関係官庁、外郭団体、県商工会議所連合会、県商工会連合会、埼玉県設備設計事務所協会などが後援。

 ※ネット・ゼロ・エネルギー住宅/ビル(ZEH/ZEB)=住宅の躯体・設備の省エネ性能の向上、再生可能エネルギーの活用などにより、年間での一次エネルギー消費量が正味(ネット)でゼロまたはおおむねゼロになる住宅・ビルのことをいう。