日本工業経済新聞社(群馬)
2017/01/27
【群馬】片品中学校について、千明村長にインタビュー
片品中学校の新校舎建設計画を進める片品村の千明金造村長に、建て替え計画内容や入札スケジュールとともに、今後取り組みたい事業などについて聞いた。新校舎は2015年度に小島設計(沼田市)に設計を委託、16年度当初予算に工事費を計上したが、補助金の関係で17年度への持ち越しを一度は決定。その後、補助交付の目途が付いたため、12月補正予算に4億9528万円の工事費を再計上、再び動き出した。発注は地元含むJVを編成する指名競争、近く開札の予定。また、17年度以降は、橋梁や村営住宅などの事業に取り組む考え。
−片品中学校新校舎の仕様について
千明 新校舎はW造平屋建て、上空から見て「王」の字になっている。東西南北の4つの棟があり、延べ床面積が3314u。体育館は既存のものが耐震化されているので、そのまま渡り廊下で繋ぐ。プールはすでに解体済みで新設はしない。普通教室のほか、パソコン室、図書館、調理室など一般的な中学校と同じような施設を備える。
−入札などの今後のスケジュールは
千明 年度内に臨時校舎の建設工、既存校舎の解体工、新校舎の建設工の3件の発注を行う。地元業者を含めたJVを組み、指名競争入札。近く開札を行う。17年度の夏休みまでに臨時校舎の建設を行い、引っ越しを待って既存校舎の解体を17年10月までに完了させる。新校舎の建設は18年度の12月までに終わらせ、19年度3月の入学式から運用していきたい。18年度の11月に外構工事も行う。こちらの発注は17年度以降。
−新校舎の特徴やアピールポイントは
千明 以前の校舎よりも耐震面など安心・安全を考慮した。新校舎には50年前に整備した村有林から採伐した木材を約600立方m使用する。地元木材のぬくもりの中で生徒達に学んでほしいという思いと、村内の資源を地消していくことで、林業の活性化を図っている。小学校も同じように地元木材を使っている。
−村の活性化に向けての取り組みは
千明 建設業に限らず、日本全国の山村では人口減少は重要な問題。住みよい村づくりの一環として、スクールバスの活用や路線バス、保育園、給食費の無料化などを行って子育て支援している。雇用を増やす事も課題となっており、役場の隣りの交流施設の建設や中学校の新校舎に村の木材を使うことも、雇用の拡大を図っている。
−今後、村で取り組む事業は
千明 新校舎の建設が落ち着いてきたら、村道橋梁の耐震化、修繕などの長寿命化に着手していきたい。村営住宅も古くなってきているので、対策を考えている。道路関係は国、県の力を借りて引き続き取り組んでいきたい。