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日本工業経済新聞社(茨城)
2017/01/27

【茨城】国土強靭化地域計画を来月策定

 県国土強靭化地域計画有識者会議は今月24日に、県庁6階災害対策室で第4回会議を開き、国土強靭化地域計画の最終案について話し合った。地域計画では、推進する施策ごとに2020年度における数値目標を明示。街路事業改良率を70%としたほか、河川改修率58・8%、下水道施設耐震化率46・3%、市街地等道路の無電柱化率45・4%などを目標に掲げた。今回の会議における意見を反映した上で来月の庁議で計画を決定。3月の定例県議会や防災会議で報告する。
 計画案は、策定趣旨・位置付け、基本的な考え方に始まり、脆弱性評価、県における国土強靭化推進方針、計画推進と不断の見直し−の全5章で構成。このうち県における国土強靭化推進方針では、リスクシナリオを回避するために必要な施策を数値目標とともに明示した。
 推進方針のうち行政機能では、防災拠点となる公共施設の耐震化率を20年度までに92・4%に引き上げる。
 住宅・都市・住環境分野では、20年の数値目標として、住宅・民間特定建築物・市町村立学校の耐震化率を95%に設定。
 上下水道施設の耐震化は、下水道施設の耐震化率を15年度の35・1%から46・3%まで、水道施設管路の耐震化率を14年度の48・5%から68・2%まで伸ばす。昨年度までに策定した市町村の無かった空家等対策計画は25年度までに全市町村で策定。15・9%だった大規模盛土造成地マップ公表率と67・4%だった街路事業改良率は、いずれも70%としたい考え。
 保健医療・福祉では、災害拠点病院などの機能強化における数値目標として、20年度の耐震化率を明示。災害拠点病院100%、高齢者関係施設98%、障害者支援施設90・9%、児童福祉関係施設96・9%を目指す。
 情報通信・交通・物流分野では、道路の防災・震災対策や緊急輸送道路の無電柱化、港湾施設の耐震・耐波性能の強化、洪水・土砂災害・津波・高潮対策などを着実に推進。数値目標として、20年度における「復興みちづくりアクションプラン」の対象箇所の完了率84・3%、市街地等道路の無電柱化率45・4%を掲げた。緊急輸送道路(県管理)上にある橋梁(15m以上)耐震化率の目標数値は84・4%とする。
 農林水産分野では、20年度の目標数値として、農業集落排水施設(供用開始後20年経過した施設)の機能診断の100%実施、山地災害危険地区(民有林)における治山事業の着手率43・6%、農業用ため池・農業水利施設の耐震性点検59カ所、林道橋・トンネルを対象とした72カ所の点検診断などを掲げた。
 国土保全分野では、河川改修などの治水対策として鬼怒川プロジェクトの円滑な推進を掲げ、20年の河川改修率58・8%を数値目標とした。津波対策のハード整備では、防潮堤などを計画高まで整備するとともに、減災効果を目指した構造の工夫として、粘り強い構造の整備を推進するほか、耐震化などの対策を計画的かつ着実に進める。
 土砂災害対策では、土砂災害警戒区域の指定率100%、土砂災害防止施設の整備率24・2%を数値目標とする。地籍調査進捗率は71%を目指す。また20年度までに7つのダムで長寿命化計画を策定する。
 横断的分野の推進方針では、公共施設の長寿命化対策として、個別施設計画(施設類型毎の長寿命化計画)策定割合100%を目標とする。
 今回の会議における意見を反映した上で、本年2月の庁議で計画を決定。3月に定例県議会や防災会議へ報告する。