東京都は2017年度、2020東京オリンピック・パラリンピック競技大会の会場整備として、カヌー・スラローム会場と大井ホッケー競技場、有明テニスの森公園の3カ所で工事に着手する。予算案に関連する施設整備費を盛り込んだ。
カヌー・スラローム会場は、葛西臨海公園に隣接する都有地(葛西水再生センターの一部、江戸川区臨海町6ノ1)に新設する。
土木構造物として延長300bのスラロームコースや同200bのウォームアップコース、フィニッシュエリア、ボートエスカレーターなどを整備。コース内の水を循環させるためのポンプ設備や電気設備を配置する。競技関連諸室や施設運営関連諸室、管理諸室も新築する。パシフィックコンサルタンツ(千代田区)で進めている設計を16年度末納期でまとめ、17年度早期に工事に着手。19年度までの3カ年で施工する。
大井ホッケー競技場は、オリンピックのホッケー会場、パラリンピックの視覚障害者5人制サッカー・脳性麻痺者7人制サッカーの会場として利用する。
大井ふ頭中央海浜公園内(品川区八潮4丁目他)の既存の第一球技場などのエリアに、延べ床面積約4300平方b規模のメイン施設を新築し、第二球技場を改修する。メイン施設には約2600席の観客席を配置し、大会時は仮設を含め約1万席を確保する。サブ施設は既存の第二球技場(鉄筋コンクリート一部鉄骨造、延べ床面積1939平方b)を改修して対応する。固定席は残し、大会時は仮設で5000席に増やす。設計は梓設計(品川区)が担当しており、17年度に取りまとめて同年度に工事を発注。19年度に完成させる。
テニス・車いすテニスの会場として活用する有明テニスの森公園(江東区有明2丁目2ノ22)では、既存施設を活用しつつコートを新設・改修し、クラブハウスを改築する。
競技会場の整備では、ショーコート1(観客席5000席)新設▽ショーコート2(同3000席)仮設▽屋外コートの改修▽インドアコートの新設▽クラブハウスの改築―を実施する。ショーコート1の観客席数は大会後に3000席に減らす。また、全天候型コートとスライド式開閉屋根を備えた有明コロシアム(鉄骨鉄筋コンクリート一部鉄骨造4階建て延べ約2万8100平方b)は屋根と内部を改修し、これに伴う設備工事を実施する。設計を環境デザイン研究所(港区)で進めており、17年度下半期に工事に着手し、19年度に完成させる。
提供:建通新聞社