県は26日、東京湾アクアラインの割引による経済波及効果について公表した。それによると、通行料金引き下げ継続後の2014年4月から昨年9月までの2年6か月間で、首都圏全体で約1155億円と推計、千葉県だけでも約879億円の経済波及効果があり、首都圏の経済活性化に大きく寄与しているとした。また交通量も社会実験前の2・1倍、料金引き下げ継続後で約1・1倍に増加し、「人」と「もの」の動きが活発化した。
経済波及効果の内訳は、観光消費による効果が約968億円(千葉県約728億円、神奈川県約125億円、東京都約104億円、埼玉県約11億円)、設備投資による効果が約69億円(千葉県約36億円、神奈川県約2億円、東京都約31億円)、増加した生産額による効果が約118億円(千葉県約105億円、東京都約13億円)。
観光消費額は、アクアライン利用者へのWEBアンケート調査及びアクアライン交通量により推計。約6割の観光客が、料金引き下げがない場合は「アクアラインを使わず違う場所に行った」か、「アクアライン以外の道路を利用して同じ場所に行った」などと回答し、アクアラインを利用する観光に転換したことが伺える結果となった。また利用者からは、「アクアラインが800円になったおかげで頻繁に行けるようになった」「とても楽しかったのでまた利用したい」「出かける機会が増えた」などの意見が寄せられた。
設備投資・生産額については、1都3県の企業へのアンケート調査によって把握。料金引き下げ継続を契機に、約1割の企業が設備投資を実施し、約2割の企業が売り上げに追い風になったとし、売り上げの増加を実感。企業からは、「内房への移住や、セカンドハウスの購入者が増えている」「来店するお客様が増えている」などの意見が寄せられた。
一方、2015年度のアクアラインの交通量は4万4000台/日で、社会実験前の08年度と比較して約2・1倍に増加。料金引き下げ継続前の13年度との比較では約1・1倍に増加した。
県では、「圏央道の開通効果も相まって、持続して首都圏に大きな経済効果をもたらしており、今後も道路網の整備進展に伴い、アクアライン本来のポテンシャルが発揮され、経済効果がさらに拡大していくことが期待される」としている。