日本工業経済新聞社(群馬)
2017/01/26
【群馬】県建設企画課がICT土工の試行要領を作成
県建設企画課は、ICTの活用に向け「群馬県県土整備部発注工事におけるICT活用工事(ICT土工)の試行要領」の作成を進めている。年度内にまとめ、2017年度から適用する考え。要領では、1000立方m以上の切り土工または盛り土工を対象にICT建設機械による工事の試行を盛り込む。試行件数などについては、検討を進めているところ。16年度は、測量から施工、データ納品に至る全工程でドローンやICT建機を用いる工事を県として初めて発注するなど、ICTの活用に向け準備が進められている。
ICT活用工事の試行にあたっては、本課や各出先事務所など発注者が実施を指定する「発注者指定型」と、受注者の判断により活用する「施工者希望型」の2パターンを用意。ICTを活用する場合の工事成績評定加点は16年度から行っている。
発注する工種は、一般的にICT施工による効率化の効果が高いとされる切り土工または盛り土工で、それぞれ1000立方m以上の規模を想定している。
切り土、盛り土工の内、どの現場でICTを活用するかは、事務所と本庁で調整しながら決める予定。また、事務所ごとの発注件数についても、検討を進めているところ。
17年度以降は、ICT施工の有用性や課題を確認し、さらなる活用に向けて準備を進める。他工種でのICT活用についても国の動向を注視しながら検討する。
ICTの活用にあたっては、16年度に県として初めて測量、設計、施工から施工管理、納品まで全ての工程でICTを活用する工事を県館林土木事務所が所管する国道354号北川辺バイパス整備事業で採用。工事は、徳川組(邑楽町)が受注した板倉町下五箇地内の290mを対象とした路体盛り土工で、現在は3次元設計を進めているところ。2月中旬からICT建機による盛り土工や法面整形に移る。
また、霧積ダムでプロファ設計(伊勢崎市)、西毛広域幹線道路の安中工区を冨永調査事務所(高崎市)、高崎工区は総合技術(藤岡市)が担当して3次元測量と施工管理を行う。
国土交通省は16年11月10に行われた産学官関係者による第3回ICT導入協議会の中でICT土工の現状について報告。「発注者指定型」と「施工者希望型」を合わせて年間で1080件以上の公告を予定しており、16年10月20日時点で279件のICT土工を実施し、このうち地域の建設業者が8割以上を占めていることを示した。