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日本工業経済新聞社(群馬)
2017/01/23

【群馬】市営公園墓地建設へ前進、市民意向調査を実施

安中市は、市営墓地の整備計画を進める。2〜3月ごろに市営墓地に対する市民意識調査を実施、市民が志向する墓地形態を把握する。2017年度以降の具体的なスケジュールは決まっていないものの、市民1000人を超える市営公園墓地建設要望書も提出されていることから、意識調査を基に場所の選定や規模など整備計画を詰めるといった検討作業を進めるとみられる。立地場所の条件としては、周辺環境が良く取得しやすい場所で、未利用市有地も候補の一つとして検討するとしている。市営墓地に関連する市営斎場「すみれヶ丘聖苑(中野谷3637−3)」は、老朽化。適切な維持管理に努めるとともに、大規模改修や建て替えなど検討を進める。
市では、1991年ごろから市営墓地の建設に関する動きがあり、1994年ごろには市営墓地建設計画があったものの財政の状況、さらに松井田町地内で建設候補地を選定していたが、地元住民の理解が得られず断念。長年にわたり建設計画がありながら進まなかった。
2〜3月ごろに実施する意識調査では、少子高齢化や承継親族がいない世帯、低所得者、どの宗派にも属していないなどといった市民の状況はじめ、多様化する墓地に対する市民ニーズの動向を捉える。遺骨をお墓に埋葬するか納骨堂とするか、また、芝生型・合葬式・公園型など墓地形態の考え、市民が所有する墓地形態、現在の墓地で満足しているかなどを調査する。市民2000人を無作為で抽出し、アンケート用紙を送付する。意識調査に関する業務はリジオナルプランニングチーム(東京都新宿区)に委託した。
県内で市営墓地を有する前橋や高崎、富岡、太田、沼田、渋川市での取り組み動向を参考に検討を進める。特に富岡市が14年に市民に対して調査した墓地の管理経費や無縁墓地への対応などに関しては、同様に重要な課題となっている。
市には、16年4月に発足した市営公園墓地早期建設を要望する会(小宮ふみ子代表)から1000人を超える署名を集めた市営公園墓地建設に関する要望書が8月に提出されたほか、この1月にも公園墓地施設等についての要望書が出されている。1月の要望書では、公園墓地の設置を要望し、芝生やトイレ、ベンチ、駐車場などの具体的な案も盛り込まれた内容となっている。
市が管理運営するすみれヶ丘聖苑は、1986年に供用を開始した斎場で築30年、増築した大式場も1996年に供用を開始し20年が経過している。老朽化による修繕などは適時行われているが、建て替え計画などは今後「公共施設等総合管理計画」の中で検討していくとしている。また、家族葬などに対応する施設整備を求める要望もあがっている。