福井県内の建築業関連団体が元請け、下請けの区別なく横に連携を深め、共通する課題の解決へ向かう、画期的な新組織「福井県建築業団体連合会」(通称・県建築連)が19日、産声を上げた。福井市宝永3丁目の県国際交流会館で。
設立総会では冒頭、呼び掛け人代表で初代会長を務める西野左武朗福井県建築工業会会長がこう挨拶。「建築に特化した新組織で、各業種間の垣根を外し安心・安全な建物づくりを。将来を見据えた建築産業の継承・継続を目標に掲げて進めたい」と力説。建築業界が等しく抱える高齢化や入職者減、雇用環境悪化、技術・技能継承など様々な共通課題を関係団体の相互理解と緊密な連携を図り、互いに知恵を出し合い、乗り切る場所づくりと重ねて強調した。
来賓にまねく県土木部の松本正輝技幹は「建築専門の異業種同士が一つのテーブルで意見交換することはとても素晴らしい。土木と一緒では議論に無理があるため」などと、全国的にも先進的な建築を中心とした試みに期待感を示し祝辞を送った。
また三役の挨拶では副会長の吉田勝二建専連会長が「元下関係は無くなりはしないが、より対等な関係を求めて画期的。顔を合わせ品質管理など率直な話(情報交換)をしたい」。前田豊次電気工事工業組合理事長は「我々の組合員370社全員が喜んでもらえるよう会の発展に努力したい」。田中猛雄建設室内工事業協会会長は「内装工事業3団体の一つとして、今ここで踏ん張り将来の発展につなげたい」。専務理事の見谷貞次建築工業協同組合理事長は「各団体の悩みや問題点などを解決し建築業界全体の発展を」などと各様に力強く抱負を述べた。
審議了承された規約(第1条)には建築業の活力を維持し一層の発展を遂げ、安全・安心な建物づくりをもって福井県の公共の福祉増進に寄与すると会設立の目的を明記。事務局は会長の所属団体に置くとした。また目的の達成に向けては建築生産の技術向上、改善、継承。建築生産に関する資料、情報。官公庁および関係機関との意見交換・情報発信の事業展開を図るとしている。
設立初年度の事業計画によると団体として組織基盤を確立するため、建築生産における諸課題に取り組む共通認識の醸成を主目的に設定。各団体の横のつながりに重点を置き、人の交流と情報交換のため交流会を行う。2月2日には講演会と発足交流会を計画(福井市のザ・グランユアーズフクイで)。県知事や土木部長らも参加予定。
今後の事業内容としては▽技術者・職人育成のためのキャリアアップ支援事業(技能、資格の取得支援など)▽建築業界に興味を持ってもらうための業会全体のイメージアップ事業(社会的PR)▽勉強会や情報発信のための関係官署との連携・情報交換事業(役所との懇談会等)に積極的に取り組む方針。
設立当初の役員
※三役
■会長 西野左武朗 福井県建築工業会会長
■副会長 吉田勝二 福井県建専連会長
■副会長 前田豊次
福井県電気工事工業組合理事長
■副会長 田中猛雄
福井県建設室内工事業協会会長
■専務理事 見谷貞次
福井県建築工業協同組合理事長
■理事 広川幸則
福井県鳶土工業協同組合理事長
北川貞純
福井県鉄筋協同組合理事長
長谷川岳史
日本型枠工事業協会福井県支部支部長
房川正己
福井県防水工事協同組合理事長
土田英樹
福井県左官工業組合理事長
西尾照好
福井県アルミサッシ加工協同組合理事長
岡本保男
日本塗装工業会福井県支部支部長
中村潤一 福井県造園協会会長
堀勝巳
福井県厨房設備機器協議会会長
■監事 冨田真史
福井県建設鉄工協同組合理事長
藤井武夫 福井県板金工業組合理事長