高知県商工労働部は、工業技術センター内に新しい食品加工棟を建設し、既存の食品加工棟も改修する。2017年度は新施設建設に向けた基本・実施設計や、現施設改修の設計・工事を行う計画で、予算要求している。
新施設は、現在使われていない材料実験棟を解体した場所に建設する計画で、規模は3階建て延べ1200平方bをベースに設計の中で決める。企業などの開発スペースとなる「オープンラボ」を確保し、機能性食品開発室や官能評価室、自主検査支援室などを設置。新商品開発の強化、試作品の営業許可の取得、企業の品質管理体制の強化、食品関連企業とものづくり企業との連携強化などを進めていく。
食品の製造過程で発生する可能性がある衛生・品質上の危険性を分析し、安全性確保のために監視すべき重要管理点を定め、厳格に管理・記録を行う「HACCP(ハサップ)」対応の施設とする。そのため、17年度早々にHACCP生産設備コンサルティング業務を外注し、施設のたたき台を示した後、基本・実施設計を外注する。17年度末に設計を完了させ、18年度に工事発注、19年度半ばの完成を目指す。
現在の食品加工棟については、17年度早々に改修設計を外注し、上半期中にも工事発注する見込み。規模は鉄骨造平屋約200平方b。現在ワンフロアとなっているが、汚染区域や非汚染区域を分離し、素材洗浄室、加工室、検品室などを設ける。完成後は、先行して清涼飲料水の商品開発や試作品の製造・販売ができるようになる。
県が進める地産外商の取り組みの中で、県内の食品事業者は中小零細が多いことから、商品開発力や品質・衛生管理での課題がみられた。また工業技術センターの試作設備は食品衛生法の規定を満たしておらず、営業許可が取得できずに販売できないという課題もあった。県では、こうした課題を新施設建設などにより解決し、地産外商のさらなる強化を図っていく考え。
所在地は、高知市布師田3992ノ3。
提供:建通新聞社