県は19日、2017年度当初予算案を発表した。新年度予算は、3月に知事選挙を控えているため「骨格予算」として編成。一般会計は1兆6297億2800万円で、前年度に比べ841億7200万円減(4・9%減)となる。一般会計の投資的経費は同21・0%減の1184億5900万円。政策的事業や新規・拡充事業、投資的経費の新規分などは6月補正予算で肉付けを行い、対応する。
主要事業では、救急医療センター・精神科医療センター等整備事業の基本設計等に1億8500万円、高等学校再編事業に6億250万円、県立学校空調設備整備事業に1億4400万円、がんセンター施設整備事業に2億4900万円、県有施設整備事業に2億2800万円などの事業費を措置した。また新規事業では、(仮称)印西警察署白井分庁舎の設置に事業費を計上。
新予算は、@人件費、社会保障費、公債費等の義務的経費A県民生活に密接に関係する事業や県内経済の活性化に資する事業のうち継続事業や、工程上、年度当初から着手することが必要な事業などについて予算計上した。
一般会計の投資的経費のうち、普通建設事業費は前年度比24・5%減の952億9800万円。内訳は、補助事業が同40・0%減の471億3200万円、単独事業が同1・2%増の481億6600万円。投資的経費は、継続中の工事や、工程上、年度当初から着手することが必要な事業を中心に計上したことなどから、約315億円の減額となった。また、普通建設事業費の単独事業は衛生研究所や消防学校・防災研修センターの建築工事が進捗し、事業費が増額した。
主要事業のうち、救急医療センター・精神科医療センター等整備事業は、老朽化や狭隘化が著しい両センター及び精神保健福祉センターの機能を備えた施設を一体的に整備するもので、新年度予算には基本設計費8000万円、地質調査等8700万円、運用支援業務1800万円の総額1億8500万円を措置した。同施設の建設場所は千葉市美浜区豊砂地先。本年度は病院システムで基本計画の策定を進めている。順調なら18年度で実施設計を行い、その後着工。開設は早くて21年度末ごろの予定。
また、増改築に向け実施設計を進めているがんセンターについては、工事の支障となる電柱や既存配管の移設等を行う。本体の事業費は6月補正予算で措置する予定で、本年秋に着工、19年度までの3か年で建設、19年度末の開院を目指す。設計は日建設計が担当。建物規模は建て替え、既存棟の改修を含め延べ5万4000u。病床数は450床の計画。
一方、学校再編事業では県立学校改革推進プラン等に基づく魅力ある高校づくりを進めるため、市原・鶴舞桜が丘高校の統合(事業費1070万円)、佐倉西高校への福祉コースの設置(同2150万円)、印旛明誠高校での単位制の充実(同5億5900万円)を実施。県立高校の空調設備整備は特別支援学校5校の作業実習室と高校職員室等管理諸室に整備する。事業費は特別支援学校が9633万6000円、高校が4766万4000円。高校は設計が4校とリースが20校。
◆旧キャリアCに工事費6・4億円
このほか県有施設整備事業は、中央児童相談所機能拡充移転事業の実施設計費3476万円と旧ちばキャリアアップセンター改修事業の建築工事1億9324万円(ほかに債務負担行為4億5300万円)を予算措置。
中央児童相談所は、青少年女性会館を改修し機能を移転する。本年度は向後構造設計事務所で耐震診断と補強設計を実施。来年度で実施設計を行い、20年度の供用開始を目指す。
旧ちばキャリアアップセンターは、改修を行い、組織の再編や施設改修などによる入居先として整備する。本年度は千町村建築研究所で実施設計中。18年度の供用開始を目指す。