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北陸工業新聞社
2017/01/19

【富山】資金繰り、容易な傾向に転換/第3四半期建設業景況調査/東日本保証富山/来期は受注減少傾向へ

 東日本建設業保証富山支店は、16年度第3回「建設業景況調査」の結果をまとめた。
 四半期ごとに集計しているもの。調査企業は新川、富山、高岡、砺波の各地区から業種や完工高、資本金のバランスを踏まえ抽出。項目ごとに10月から12月の今期(第3四半期)実績と1月から3月の来期見通しを算出した。回答は63社。
 項目別の数値を見ると、「業況等」の地元建設業界の景気は今期、悪い傾向が続いているものの、改善傾向が見られた。来期の景気は、悪い傾向が強まる見通しだ。
 今期の「受注総額」は減少傾向が若干弱まった。民間工事は減少傾向が強まったが、官公庁工事は減少傾向が弱まった。来期の受注は減少傾向が相当強まる方向で、官公庁工事では減少傾向がかなり強まる見込み。
 「資金繰り」は今期、厳しい傾向から容易な傾向に転じた。日銀のマイナス金利政策の影響で、貸出金利が低下していることを受け、銀行の貸出金が増えていることが反映したものと見られる。富山における容易傾向への転換は20年以上ぶりで、全社的にも92(平成4)年以来25年ぶり。来期は一転、厳しい傾向が強まるもようだ。
 今期の「金融」は、銀行等貸出傾向で容易な傾向が強まった。短期借入金利は下降傾向が弱まった。来期の銀行等貸出傾向は、容易な傾向が弱まる方向で、短期借入金は減少傾向から増加傾向に転じる見通し。
 「資材」は今期、資材の調達で容易な傾向がやや強まっており、資材価格は上昇傾向がかなり強まった。来期は資材調達が困難な傾向に転じる見込みで、資材価格は上昇傾向が続くもよう。
 今期の「労務」は、建設労働者の確保で困難な傾向が続いており、来期はより一層強まる見通し。賃金は、上昇傾向が続いている。
 今期の「収益」は、減少傾向が続いている。減少の理由は『完成工事高の減少』が最も多く、次いで『競争激化』。来期は、収益の減少傾向がさらに強まる見通し。
 今期の経営上の問題点では、『人手不足』を挙げる回答ウェイトが増え、『受注の減少』と並びトップとなった。

hokuriku