日本工業経済新聞社(山梨)
2017/01/17
【山梨】リニア駅〜甲府駅バス交通358号ルート検討
県は、県内のバス交通ネットワーク再生計画の素案をまとめた。その中で、リニア中央新幹線の開業を見据えたバス交通として、甲府市郊外に建設されるリニア新駅と甲府駅とを結ぶバス交通システムとして、国道358号(新平和通り)ルートについて交差点改良などによる速達性や定時性のさらなる向上を検討するとし、自動運転システムなどの技術進歩を踏まえつつ交通システムの整備を進めるとした。
リニア駅と甲府駅とを結ぶバス交通ルートとして、県では4ルートを検討した。4ルートは@荒川堤防ルート(飯豊橋〜中央道)A荒川堤防ルート(飯豊橋〜新平和橋)B国道358号ルートC中央道ルート。
再生計画素案では、速達性・定時性および利便性に優れた国道358号(新平和通り)ルートにおいて、交差点改良などによる速達性や定時性のさらなる向上を検討するとともに、ICカードによる料金徴収や運行情報の提供により利便性の高いバス運行を目指していく。
また、将来を見据え、交通流動を踏まえたバス専用・優先レーンなどの交通基盤の整備や今後の技術進歩を踏まえた交通システム、燃料電池バス、自動運転システムなどのハイグレードなバス交通の導入などの検討も視野に入れながら、この路線が県内のバス交通ネットワークの基幹軸となることを目指していく。
リニア開業を見据えたバス交通ではそのほか、以下の整備を目指すとした。@リニア駅から30分で到達できる圏域の拡大を踏まえたリニア駅・甲府駅と県内各地の主要拠点とを結ぶバス路線Aリニア駅と身延線を結ぶバス路線Bリニア駅と県外地域を結ぶ高速バス路線。
リニア駅周辺については、駅北側はパーク&ライド用駐車場や一般交通を対象として乗降場を、駅南側には公共交通を対象とした乗降場を整備する。
再生計画素案ではそのほか、少子高齢化の進展や観光客の増加、バス交通の弱体化に対応するため、県や市町村、事業者の連携によって持続可能で利便性が高いバス交通ネットワークの構築について基本方針を提示。広域的路線や地域内路線の改善、バス相互・鉄道との効率的乗り継ぎによる利便性の高い交通ネットワークを実現していく。
これらの施策は2019年度までに実施していく計画で、リニア開業に関する部分は方針として提示した。
バス交通ネットワーク再生計画の素案は17日からパブリックコメントを開始し、意見を募っている。素案は県ホームページに掲載。意見募集を経て17年3月に計画を決定する。