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日本工業経済新聞社(群馬)
2017/01/13

【群馬】城南水処理センター継続して利用する可能性高まる

高崎市が阿久津水処理センター(阿久津町730)との統合を計画していた城南水処理センター(和田多中町550)を存続させて使用する可能性が高くなっている。2016年度には、機能診断業務をNJS(東京都港区)に委託。老朽が進む城南水処理センターを改修し継続して使用するか阿久津水処理センターに統合するかを改修工事や統廃合に伴う管渠整備などのコスト、緊急時におけるリスク分散の観点などから再検討している。年度内に最終的な方針をまとめ、17年度から国などの関係機関との協議に入る見通し。
両水処理センターは06〜26年度までを整備計画とした「利根川流域別下水道整備総合計画」において統合という方針で位置付けられている。再検討の中では、統合せずに城南水処理センターを改修した方がコストを抑えられ、昨今多発する自然災害に備えたリスク分散の観点からも統合しない方が望ましいのではないかという方向で進められている。現段階では、それぞれの水処理センターを継続して利用する可能性が高いという。
城南水処理センターを継続使用する場合は「利根川流域別下水道整備総合計画」を見直す必要がある。国や県など関係機関との協議を経て、計画見直し手続きなどで2〜3年を要すると見られる。その後、改修に向けた設計などに着手する見通し。
統合する場合は計画の見直しは必要ないため、管渠ルートなどを関係機関と協議して、設計など進める見通し。城南水処理センターで処理しているJR高崎駅東口周辺の下水道管を阿久津水処理センターまでつなげる。ルートは決まっていないものの複数の候補が考えられるという。また、烏川の横断は推進工法などにより整備する必要がある。場所は、城南水処理センター付近や県道佐野一本松通り一本松橋付近などを想定。河川になるべく支障のない位置を国と協議して詰めていく。さらに、処理能力増強のために阿久津水処理センターに1系列増設するなどの工事が想定される。
城南水処理センターでは16年度、ブロワ棟の耐震補強詳細設計業務をサン設計事務所(高崎市)に委託。統合しない方針に決まれば、17年度に工事着手すると見られる。ブロワ棟はRC造2階建て(地下1階)、延べ床面積約682u。同棟には、事務所のほか反応槽に空気を送る機械室などがある。耐震補強の工法は現在検討中。
阿久津水処理センターでは16年度、微生物の働きを活発にして汚れを除去するためのA系反応槽送風機の更新工事やA系最初沈殿池bSの汚泥掻寄機更新工事を行っている。このほか17年度以降、A系bP汚泥吸揚機とA系最終沈殿池汚泥吸揚機のレール更新工事を予定する。
城南水処理センターは1957年に供用を開始。標準活性汚泥法を用いて1日あたり1万3000立方mを処理して烏川に放流している。阿久津水処理センターは1981年の供用開始。A系では標準活性汚泥法を用いて日量4万5900立方m、B系は、嫌気好気活性汚泥法を採用して日量2万9500立方mの処理を行っている。