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建通新聞社四国
2017/01/13

【高知】安芸市新庁舎 市街地北側移転の答申案まとまる

 安芸市新庁舎建設地検討委員会(委員長=原忠高知大学教授)の第5回会合が6日、安芸市消防防災センターで開かれ、これまで議論してきた災害対策、利便性、庁舎建設のたやすさ、まちづくりの4点を総合的に勘案し、市街地の北側に当たる消防防災センター付近から県道高台寺川北線付近までのエリアに新庁舎を建設する答申案を示した。16日に開かれる最終の会合で具体的な答申をまとめた後、横山幾夫市長に報告する。
 委員会では、新庁舎の建設地について、現在地で建て替えるA案、消防防災センター付近のB案、県道高台寺川北線付近のC案、複合商業施設「すまいる・あき」付近のD案から、四つのテーマで検討を進めてきた。A案とD案は市中心部、B案は中心部より北側でC案はさらに北側となる。
 この中で、まず市庁舎は南海トラフ地震発生時に災害対策本部となることが想定されるため、被災しても機能が維持できるということが最重要とした。また発災後すぐに復旧復興に着手できるよう、道路啓開が迅速にできる場所であること、整備費が抑えられることなどを条件として挙げた。こうしたことから、L1津波で浸水し、液状化のリスクも高いA案や、住宅などが密集し、がれきや火災のリスクがあるD案は現実的でないとした。
 A案やD案は市中心部であるため、利便性の面から推す意見もあったが、将来的に高規格道路が開通し、消防防災センターの近くにインターチェンジが建設されることや、これに合わせて中心部までのアクセス道路が整備されることを踏まえ、今後の交通ネットワークという点からB案を推す意見が目立った。しかしB案は、L1津波では浸水しないがL2津波では浸水が想定されていることから、浸水区域外であるC案までの範囲で新庁舎を建設することが望ましいとした。
 現在の安芸市庁舎は1959年建築で鉄筋コンクリート造4階建て延べ1555平方bの東庁舎、82年建築で同造地下1階地上4階建て延べ2306平方bの西庁舎などがあり、耐震性がなく老朽化も進んでいる。庁舎が移転となれば、現庁舎の在り方についての検討も今後必要となる。

提供:建通新聞社