岐阜市の柳ケ瀬で新たな商店などを誘導し、まちの再生を目指す新会社「柳ケ瀬を楽しいまちにする」(岡田さや加代表、岐阜市柳ケ瀬通2ノ3)が設立した。柳ケ瀬地区周辺の商業者や事業者、金融機関など12人が出資した(資本金1000万円)。現在、空き店舗などが目立つ岐阜市最大の商店街を持つ柳ケ瀬地区の活気を取り戻すため、遊休不動産のリノベーション事業を核に新規参入事業者の誘導などを行う。
岐阜市柳ケ瀬は、有名な歌謡曲に登場する街として昭和40年代には全国的な知名度を得た。地方都市の歓楽街としては規模の大きな街として名古屋市から訪れる人も多かったという。しかし平成に入ってからは郊外型店舗の立地による中心街空洞化の波を受け、空きビルや空き店舗が増えている。さらにこれまで商業地の活動の中心だった商店街組合も後継者不足や活動基盤の弱体化があり衰退してきた。また、大型商業施設が5店舗あったが、相次ぐ大型ショッピングモールの開業や名古屋の大型商業施設との競合で4店舗が撤退、唯一岐阜高島屋が残っている状態となっている。
こうした背景の一方で、柳ケ瀬地区ではここ数年、個性的な経営者や事業者が増えてきており、まちに変化の兆しが表れているという。新会社「柳ケ瀬を楽しいまちにする」は、同地区のこのような動きを加速させる事業を担う会社として設立した。主な事業内容としては、遊休不動産のリノベーションや新たな顧客の創出、地域不動産管理コストの合理化・一括契約事業などの他、広報PR事業、インバウンド関連事業を行う。
リーディング事業として、ロイヤルビル(日ノ出町1ノ20)のリノベーション事業に取り組む。1977年に建築された同ビルは、築後40年以上が経過しているものの、構造上の耐震などの問題はない。現在も営業しているビルだが、1・2階の9区画が空き状態となっている。ビル内の店舗区画を改装し空き店舗に新たな店を誘導することで、同ビルをまち再生の起点≠ノ位置付ける考えだ。近々、ミユキデザイン事務所(岐阜市)で設計に入る。改装工事の方法などは、まだ決まっていない。
また、同社では将来的に遊休動産の利活用の他、大型商業施設跡地の利活用についても展開していく構想もあるという。
提供/建通新聞社(2017/01/11)