東京都交通局は、多摩川上流域の発電所や砂防施設などへの再生可能エネルギー導入に向けた検討を加速する。法的な課題や手続き、固定価格買取制度の動向などを整理しながら、小水力発電や太陽光発電の導入可能性を探り、設置方法を検討して概算費用を算出する。1月30日開札の希望制指名競争入札を経て検討業務を委託し、年度内に成果を得て事業化につなげる。
再生可能エネルギーの導入を検討するのは、峰谷川と日原川にある砂防施設2カ所、青梅市中学校体育館の計3カ所と、同局の所管施設である多摩川第一発電所や多摩川第三発電所、白丸調節池ダムなど。
砂防施設と体育館は、2015年度に実施した調査で「開発可能地点」として選定された地点で、砂防施設については小水力発電施設、体育館は太陽光発電施設の導入を軸に、実現可能性を探る。他事業での導入実績を基に、計画決定から運転開始までの期間、施設の規模、建設費、維持管理費などを整理し、法的手続きなども勘案しながら、それぞれ開発実現性を評価する。
一方、交通局の施設である発電所などに関しては、それぞれの施設の空きスペースなどを調べ、そこに導入可能な再生可能エネルギーを検討。設置方法も考えて概算工事費を算出する。併せて自然公園法や河川法など設置に関係する法令を調べるとともに、国の補助制度などの動向を確認し、活用可能な制度を洗い出す。
交通局では16〜21年度の6カ年を期間とする経営計画の中で、老朽化した発電所の施設・設備の更新に併せ、再生可能エネルギーの導入拡大を検討する方針を打ち出している。これら施設の更新計画の策定と並行して、導入可能な再生可能エネルギーを絞り込み、事業化に備える考えだ。
提供:建通新聞社