県は、6年ぶりに工事成績評定要領等を一部改定した。労災かくしや疎漏工事を防ぐため、事実が判明した時点で修正する規定を追加したほか、工事事故による第3者損害の基準は賠償額で判断。減点の計算方法も明確化する。対象工事は予定価格250万円から500万円に引き上げ。1月以降の評定手続き分から適用する。
これまで、工事完成後に指名停止等の措置があっても、工事成績を修正する規定がなかったことなどから、今回の改定では工事事故(工事関係者事故および公衆損害事故)に関する減点の計算方法を明確化。評定の公平性と手続きの透明化を図った。工事事故に関する減点は、具体的な基準がないまま運用されており、統一性の構築が課題となっていた。
基準の統一にあたっては、「減点のフローチャート」を作成。労災事故の場合は休業延べ日数、第3者については賠償額で判断するため、担当者間でバラツキが発生することがなくなる。
安全管理の不備が軽微な場合は、減点なしや減点数を減らす措置を追加した。適正な安全管理で発生したヒューマンエラーは、原則として減点しない。
工事区域外で発生した「相手方のある交通事故」も、現場管理者の監督がおよばない場所で発生し相手方にも過失がある場合が多いため、一部の事案を除き、減点しない措置とする。
設計額250万円以上500万円未満の工事は、監査員が総括監査員の分まで評定していた変則的な運用を改める。経過措置として、現在施工中の工事は、16年度末まで評定を行う。
20日、九州各県の担当者で会議を行い、基準の統一に向けて話し合う予定。